イケメン御曹司は、親友の妹を溺愛して離さない


 ゴールデンウィークが明け、いよいよ学校の遠足の日がやって来た。


「1年5組の人は、集合してくださーい」


 遠足の実行委員のわたしと三原くんはクラスの点呼を取り、バスに乗り込む。


 車内では友達とお喋りしたり、お菓子の交換をしたりしながら、バスに揺られること1時間。


 目的地に到着した。


 今日の遠足は、登山。


 まず山に登って、山頂でお昼ご飯を食べる。
 昼食後に自由時間があって、そのあと下山してバスまで戻る……というこの日の流れを、実行委員であるわたしがクラスの皆の前で伝える。


 わたしが人前で話すのが苦手だと話したら、三原くんが『説明は僕がするよ』と言ってくれたけど。


 もう高校生だし。苦手なことから逃げてばかりいたらダメだと思ったわたしは、やらせて欲しいと三原くんに言った。


「……説明は以上です」


 ふぅ……。緊張して、少し噛んじゃったけど。なんとか最後まで言えて良かった。


「お疲れ、依茉」


 説明のあと、遠足の自分の班のところへと戻ったわたしに、近くにいた一堂くんが声をかけてくれた。


「依茉のこと、見てたよ。ちゃんと仕事こなして、えらいな。さっすが俺の彼女」

「もっ、もう! 一堂くんったら、皆の前で遠足の流れの説明を少ししたくらいで大袈裟だよ……」


 照れくさくて、わたしはついそんな言い方をしてしまったけど。


 一堂くんに褒められるとやっぱり嬉しくて、口元が緩みそうになるのを必死に堪えた。


< 153 / 295 >

この作品をシェア

pagetop