イケメン御曹司は、親友の妹を溺愛して離さない


 あまりの人の多さに、気が引けるけど。


「すいませんっ」


 人波をかき分けて、ようやくわたしは掲示板の前まで来ることができた。


 はぁ。ようやくクラス表が見られる。


 でも、緊張するなぁ。


 慣れない高校生活を過ごすのだから、同じ中等部からの知ってる人がクラスにいると良いんだけど……。


 深呼吸するとわたしは1組から順に、ドキドキしながら自分の名前を探す。


 うちの学校は1学年10クラスあるから。自分の名前を探すだけでも一苦労。


「あっ、あった! わたし、5組!」


 ようやく自分の名前を見つけたわたしは、声をあげる。


「うそ、依茉ちゃんも5組!? 私もだよ〜! 神様が願いを聞いてくれたのかな? やったね!」


 お互い同じクラスだと分かったわたしと杏奈は、手を取り合い喜ぶ。


 中等部の頃から一番仲良しの杏奈と、1年間同じクラスだと思うとホッとする。


「それじゃあ、教室行こうか」


 わたしは杏奈と一緒に、1年5組の教室へと向かった。


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