メンヘラ・小田切さんは今日も妻に貢いでいる
「――――素敵な二人だね!」
帰りの電車内で、亜夢が微笑み言う。
「うん!」
「「――――あんな夫婦になりたいな……!」」
二人の声が綺麗にハモる。
顔を見合わせて、微笑み合った。
亜夢の父親は、酷い人だった。
翠李はもちろん話でしか聞いたことがないが…
酒、ギャンブルに汚く、モトコや亜夢にも酷い暴力をふるっていた。
亜夢の愛情表現が異常なのは、両親の影響だといっていいだろう。
そしてモトコも一時期、旦那のDVから逃れるために亜夢を放って、不倫に走ったことがある。
その寂しさから、その頃の亜夢は金で女を買っていた。
モトコが金を置いて男と会っていたのと、自身も投資で儲けていたのもあり、金は沢山あったから。
その女達は――――“金を渡せば”何でもしてくれた。
亜夢を愛してくれたのだ。
だから亜夢の中で、愛情=金の方程式が作られたのだ。
そんな中の翠李との出逢い。
一目惚れしたのもあるが、翠李は亜夢にとって“全てが”初めての女だった。
見た目で判断せず、無償で愛してくれた。
それは、亜夢にとって“特別なこと”だったのだ。
そして母親であるモトコとの関係も、翠李のおかげでそれなりにいい関係を続けられているのだ。
モトコはきっぱり離婚をし、不倫相手とも別れ、亜夢にも心から謝罪し、これからの人生は亜夢の幸せのために生きていくと誓っている。
それでも、モトコを信じられなかった亜夢。
しかし翠李が間に立っていることで、亜夢も少しずつモトコを母親として受け入れられるようになったのだ。
自宅マンションに帰り着き、うがい手洗いの後部屋着に着替える。
お揃いのスウェットを着て、二人はソファでゆっくりしていた。
「翠李ちゃん、明日はどうする?」
なんとなく、テレビを流しながら隣に座る翠李に話しかける。
「うーん…
ゆっくりしようよ!
明後日から仕事始めでしょ?」
「そうだね!
でも、翠李ちゃんはもう少し休みなよ!
お袋に連絡してさ。
てゆうか、辞めなよ仕事。
俺の給料だけで十分生活できるし。
翠李ちゃんには、俺のいない時は家にいてほしいんだ。
で、ここで俺に監禁させて?
そうすれば、俺は余計な心配せずに済む!」
出来れば、翠李を閉じ込めておきたいと思っている亜夢。
翠衣が、自分から離れていかないように。
なので、こんな発言も日常茶飯事だ。
「でも、亜夢さんがいない時は私も仕事して気を紛らわせてたい!
家に一人でいると、寂しいもん」
こんな重い発言をされても、あっけらかんとしている翠李は至って普通に返す。
そんな新婚二人の、結婚生活の話―――――――
帰りの電車内で、亜夢が微笑み言う。
「うん!」
「「――――あんな夫婦になりたいな……!」」
二人の声が綺麗にハモる。
顔を見合わせて、微笑み合った。
亜夢の父親は、酷い人だった。
翠李はもちろん話でしか聞いたことがないが…
酒、ギャンブルに汚く、モトコや亜夢にも酷い暴力をふるっていた。
亜夢の愛情表現が異常なのは、両親の影響だといっていいだろう。
そしてモトコも一時期、旦那のDVから逃れるために亜夢を放って、不倫に走ったことがある。
その寂しさから、その頃の亜夢は金で女を買っていた。
モトコが金を置いて男と会っていたのと、自身も投資で儲けていたのもあり、金は沢山あったから。
その女達は――――“金を渡せば”何でもしてくれた。
亜夢を愛してくれたのだ。
だから亜夢の中で、愛情=金の方程式が作られたのだ。
そんな中の翠李との出逢い。
一目惚れしたのもあるが、翠李は亜夢にとって“全てが”初めての女だった。
見た目で判断せず、無償で愛してくれた。
それは、亜夢にとって“特別なこと”だったのだ。
そして母親であるモトコとの関係も、翠李のおかげでそれなりにいい関係を続けられているのだ。
モトコはきっぱり離婚をし、不倫相手とも別れ、亜夢にも心から謝罪し、これからの人生は亜夢の幸せのために生きていくと誓っている。
それでも、モトコを信じられなかった亜夢。
しかし翠李が間に立っていることで、亜夢も少しずつモトコを母親として受け入れられるようになったのだ。
自宅マンションに帰り着き、うがい手洗いの後部屋着に着替える。
お揃いのスウェットを着て、二人はソファでゆっくりしていた。
「翠李ちゃん、明日はどうする?」
なんとなく、テレビを流しながら隣に座る翠李に話しかける。
「うーん…
ゆっくりしようよ!
明後日から仕事始めでしょ?」
「そうだね!
でも、翠李ちゃんはもう少し休みなよ!
お袋に連絡してさ。
てゆうか、辞めなよ仕事。
俺の給料だけで十分生活できるし。
翠李ちゃんには、俺のいない時は家にいてほしいんだ。
で、ここで俺に監禁させて?
そうすれば、俺は余計な心配せずに済む!」
出来れば、翠李を閉じ込めておきたいと思っている亜夢。
翠衣が、自分から離れていかないように。
なので、こんな発言も日常茶飯事だ。
「でも、亜夢さんがいない時は私も仕事して気を紛らわせてたい!
家に一人でいると、寂しいもん」
こんな重い発言をされても、あっけらかんとしている翠李は至って普通に返す。
そんな新婚二人の、結婚生活の話―――――――