メンヘラ・小田切さんは今日も妻に貢いでいる
一方の翠李。

自宅マンションで亜夢の帰りを待っていた。
テーブルに置いているスマホが鳴る。

「ん?冬菜さんだ!
――――――もしもし?」

『あ、今そこに亜夢いる?』

「え?まだ、帰ってませんよ?」

『良かった!
トシに代わるね!』
隣にいる敏郎に代わる、冬菜。

『もしもし?翠李ちゃん?』

「安川さん!こんにちは!」

『こんにちは!
バレンタイン、ありがとね!
ごめんね、バタバタしててお礼言うの遅くなった』

「あ、いえ!
こちらこそ、わざわざありがとうございます!
それに、すみません!
冬菜さんを傷つけるようなことをして……
本当は、ちゃんと会って渡すべきなんですが…」

『いやいや、亜夢くんのせいだし!
翠李ちゃんも大変だね(笑)』

「私は良いんです!
亜夢さんのこと、大好きだから!
でも…安川さんにはご迷惑かけてますよね?きっと……」

『ううん!
これでも翠李ちゃんより付き合い長いし、亜夢くんが“どんな人間か”わかってるから!』

「そう言っていただけると、助かります!」

『フフ…やっぱ、亜夢くんにはもったいないなぁー(笑)
冬菜がいなかったら、絶対惚れてたな、俺(笑)』

『あー、ダメですよ!
冬菜さんがいるんだから!』

「フフ…ごめん、ごめん!(笑)
あ、それでさ!
明日、仕事休みだよね?」

『あ、はい!』

「午前中にバレンタインのお返しが届くと思う。
中身はクッキーで、亜夢くんが帰るまでに全部食べきれるように三枚くらいしか入ってないから!
でも、有名な菓子で美味しいらしいよ?」

『わぁー、わざわざありがとうございます!
頂きます!
でも、気を遣わせてすみません。
あの……これからも、どうか…亜夢さんと仲良くしてあげてください!
安川さんと冬菜さんは、唯一の友達なので…』

「うん、大丈夫だよ!
こちらこそ、亜夢くんのことよろしくね!」

スマホを、テーブルに置く。
翠李は、とても満たされた気持ちになっていた。

亜夢さんに、素敵な友達がいてよかった、と。


余韻に浸っていると………

ガチャ…と玄関のドアが開く音がして、亜夢の「ただいま〜!」と言う声が聞こえてきた。

翠李は嬉しそうに、玄関に向かって駆けていった。
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