メンヘラ・小田切さんは今日も妻に貢いでいる
「は、何よ、亜夢」
怪訝そうに言う、冬菜。

「俺、邪魔だよな?」 

「は?」

「帰る」

「はい?
亜夢くん?」

「キス、したいんじゃないの?」

「は?」
「はい?
そんなこと言ってねぇじゃん!」

「え?そんな雰囲気だよ、二人」

「チゲーよ!」
「そうよ!
だいたい!キスするなら、こんな人の多いとこではしないわ!」

「そうなの?
俺なら、するよ。
翠衣ちゃんのこと、大好きだし。
いつでも、どこでも、触れ合ってたい。
場所も、時間も関係ない」

「時間はいいが、場所は考えろよ、亜夢くん」
「そうよ!
それに、翠衣ちゃんは嫌がるでしょ?」

「嫌がる?
はぁぁ!?
翠衣ちゃんが、俺とのキス嫌がるわけねぇだろ!!?」

「あ…」
(ヤバ…言葉、間違えた……)

「あー、ごめんね!
そうゆう意味じゃないの!!」
(あー、ほんっと…面倒くさい……)

「………亜夢」
「あ?」

「冬菜に凄むな。
いつも言ってるだろ?」

「………」
ブスッと膨れて、本当に子どものようだ。

「つか、翠衣ちゃん嫌がらねぇの?
冬菜は嫌がるぞ?
人前とか」

「照れて、顔を逸らされる」

「だろ?」

「でも、嫌がってない!
照れてるだけだ!」

「あ…そう(笑)」

「だから、翠衣ちゃんは嫌がったりしない。
最終的には、させてくれる―――――」
 

亜夢はその時のことを、思い出していた。

『―――――亜夢さん、キスしたいの?』
『うん、したい!させてよ!』

『外ではダメだよ!』
『どうして?
場所も時間も関係ない』

『うーん……
じゃあ…こっち!/////』
翠衣が亜夢の手を引き、人気のない所へ移動する。

『亜夢さん、チュッてだけだからね!』
そう言って、目をゆっくり瞑った。



「…………ってな感じで」

「へぇ~!
ラブラブね!」
「ラブラブだな!」

「ラブラブだ!俺と翠衣ちゃんは」


しばらくして―――――亜夢が“翠衣ちゃんにプレゼント買いたい”と言ったため、敏郎と冬菜も一緒にデパートに向かった。

「なぁ、トシくん」

「ん?」

「若崎と帰りなよ」

「え?付き合うよ?な?冬菜」
「えぇ!
亜夢、私達のことは気にしないで?
勝手についてきただけだから」


「お前等、モノ好きだな」
苦笑いをして、亜夢は商品に目を向けたのだった。
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