メンヘラ・小田切さんは今日も妻に貢いでいる
亜夢と敏郎が揃うと、もう…鬼に金棒だ。


力の強さは、亜夢。
心の強さは敏郎が、誰よりも強かったから。

亜夢は、敏郎やスギオなど信用できる人間の言う事はよく聞いていた。

しかし敏郎が“GO”を出すと、何の躊躇いもなく食らいつき、相手を傷つける野獣のような男。

逆に敏郎やスギオ達が止めないと、止まらない。

亜夢は敏郎達に出会って、無償の感情を知った。

敏郎達は、亜夢がどんなに情緒不安定になっても、喧嘩でやり過ぎても、亜夢から離れることなく信じて傍にいてくれたからだ。

そして、亜夢を“叱ってくれた”初めての人達だ。


食事を解散し、亜夢、敏郎、翠李、冬菜の四人はゆっくり歩いて一緒に帰っていた。

「あ!そうだ!」
翠李が、思い出したように声をあげた。

「ん?
翠李ちゃん、なぁに?」

「今度、四人で遊びに行きません?」

「「え……」」
((翠李ちゃん、それを亜夢の前で言ったら―――――))

「え!!?
なんで!?
翠李ちゃん、どうしてそんな事言うの!!?」

((やっぱり……(笑)))

「なんか、スポーツとか!
あ!ゲームセンターでもいいなぁ〜
ね!亜夢さん!
楽しそうだよ!」

ニコニコして亜夢を見上げている、翠李。

「……/////」
(か、可愛い…//////)

「あ!見て〜!
お祭りだって!
行こうよ、亜夢さん!
安川さんと冬菜さんも!」
駅前にあるチラシを見ていった、翠李。

「……/////」
「翠李ちゃん、可愛い…//////」

亜夢達三人は、揃って翠李に見惚れていた。


翠李の押しに負け、四人は後日祭り会場にいた。

「亜夢さん、何か食べよ?」

「うん!
何がいいかな?」

「うーん…
イチゴ飴食べたいな!
あ!でも!クレープもある!
あ、いや、あの唐揚げって有名なやつだ!」

「うん!全部食べよ!
翠李ちゃんが食べたい物は、何でも食べさせたい!」

「でも、さすがに食べきれないだろうし……
安川さんと冬菜さんは何か食べませんか?」

「俺は、酒飲みたいな!」
「私はまだいいかな?」

「そうですか?
うーん…じゃあ…あ!そこにお酒売ってるし、横にクレープがある!
亜夢さん、クレープにしよ?」

「うん、そうだね!」

四人は、出店に向かった。

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