メンヘラ・小田切さんは今日も妻に貢いでいる
結局―――――“小田切さん”と“伏見さん”呼びのまま、ブランチをした三人。
その後ゆっくりして、夕方近くに亜夢と翠李は実家を出た。
「じゃあ、また職場でね!」
翠李は、結婚後もパートとして働いている。
モトコと手を振り別れた。
そして亜夢と翠李は、初詣に向かった。
「やっぱ、多いね(笑)」
「そうだね。
そのために、実家でゆっくりして時間をずらしたのにね(笑)」
指を絡めて手を繋ぎ、詣るために並ぶ行列に並んだ。
「翠李ちゃん、寒くない?」
「うん、大丈夫!」
「でも、震えてるよ?」
「そりゃ寒いよ?
冬だもん!当たり前でしょ?(笑)」
「………」
見上げて微笑むと、亜夢が一度手を離し着ていたコートを脱いだ。
そして、翠李の肩にかけた。
「え……」
「俺は、寒くないから」
「………」
(いやいや、震えてるし…)
「翠李ちゃん、どう?温かい?」
「ダメだよ、亜夢さん」
「え?」
「亜夢さん、風邪引いちゃう。
こんなの、ダメ」
「どうして?
そんなこと言わないでよ!
俺は、翠李ちゃんのために……」
「だからだよ!」
「え?」
「亜夢さんが風邪引くほうが、悲しい!」
「え……あ…」
「ね?だから、やめよ?」
「うん、わかった!
フフ…嬉しい!
翠李ちゃんが、俺を心配してくれた!
俺を好きだからだよね?」
「うん、そうだよ」
そう言って、コートを渡す。
「あ!じゃあ、風邪引いたら、もっと心配してくれる?」
コートを受け取りながら、期待を込めたように聞いてきた。
「は?」
「一晩中看病して、俺のことだけ考えてくれるかな?」
「………」
亜夢は翠李の全てを手に入れるためなら“何でもする”
例外もない。
なので、平気で自分自身も蔑ろにする。
そのためこのままでは、水風呂に入り無理矢理風邪を引くように仕向けそうだ。
「翠李ちゃん?」
黙ってしまった翠李の顔を覗き込んだ。
「もし亜夢さんが風邪引いたら、一晩中看病するよ?」
「ほんと!?嬉しい!
じゃあ…今日の夜にでも――――――」
「でも風邪引いてほしくないし、苦しそうな亜夢さん見るの悲しい」
「あ…!!そ、そうだよね!?
ごめんね!
俺、また翠李ちゃんを傷つけてしまった!
ごめんね!ごめんなさい!
嫌いにならないで!!」
翠李の苦しそうな表情に、慌てて謝罪し何度も頭を下げた。
その後ゆっくりして、夕方近くに亜夢と翠李は実家を出た。
「じゃあ、また職場でね!」
翠李は、結婚後もパートとして働いている。
モトコと手を振り別れた。
そして亜夢と翠李は、初詣に向かった。
「やっぱ、多いね(笑)」
「そうだね。
そのために、実家でゆっくりして時間をずらしたのにね(笑)」
指を絡めて手を繋ぎ、詣るために並ぶ行列に並んだ。
「翠李ちゃん、寒くない?」
「うん、大丈夫!」
「でも、震えてるよ?」
「そりゃ寒いよ?
冬だもん!当たり前でしょ?(笑)」
「………」
見上げて微笑むと、亜夢が一度手を離し着ていたコートを脱いだ。
そして、翠李の肩にかけた。
「え……」
「俺は、寒くないから」
「………」
(いやいや、震えてるし…)
「翠李ちゃん、どう?温かい?」
「ダメだよ、亜夢さん」
「え?」
「亜夢さん、風邪引いちゃう。
こんなの、ダメ」
「どうして?
そんなこと言わないでよ!
俺は、翠李ちゃんのために……」
「だからだよ!」
「え?」
「亜夢さんが風邪引くほうが、悲しい!」
「え……あ…」
「ね?だから、やめよ?」
「うん、わかった!
フフ…嬉しい!
翠李ちゃんが、俺を心配してくれた!
俺を好きだからだよね?」
「うん、そうだよ」
そう言って、コートを渡す。
「あ!じゃあ、風邪引いたら、もっと心配してくれる?」
コートを受け取りながら、期待を込めたように聞いてきた。
「は?」
「一晩中看病して、俺のことだけ考えてくれるかな?」
「………」
亜夢は翠李の全てを手に入れるためなら“何でもする”
例外もない。
なので、平気で自分自身も蔑ろにする。
そのためこのままでは、水風呂に入り無理矢理風邪を引くように仕向けそうだ。
「翠李ちゃん?」
黙ってしまった翠李の顔を覗き込んだ。
「もし亜夢さんが風邪引いたら、一晩中看病するよ?」
「ほんと!?嬉しい!
じゃあ…今日の夜にでも――――――」
「でも風邪引いてほしくないし、苦しそうな亜夢さん見るの悲しい」
「あ…!!そ、そうだよね!?
ごめんね!
俺、また翠李ちゃんを傷つけてしまった!
ごめんね!ごめんなさい!
嫌いにならないで!!」
翠李の苦しそうな表情に、慌てて謝罪し何度も頭を下げた。