メンヘラ・小田切さんは今日も妻に貢いでいる
しかし………
それは、亜夢にバレてしまう。


「あれ?
トシくん、そのケースどうしたの?」

「ん?あー、冬菜に貰った」

「………」

「亜夢くん?」

「それ、翠李ちゃんがこの前の旅行のお土産に買ってたヤツだ!」

「え……」
(ヤバ…やっぱ、会社に持ってくるんじゃなかった…)

「しかも、待って…
確か“紫のシガレットケース”だったよ?
ちょっと見せて!
……………うん、このシガレットケースだった!
え?なんで?
これ、どう見ても“黒”」

「そ、そうか?
冬菜、黒のシガレットケース持ってたぞ?」

「………」

「亜夢くん?」

「トシ」

「な、なんだよ」

「“本当のこと言え”」

「ほんとだって」

「トシ!!」

「………はぁ…」

「お前、翠李ちゃんからプレゼントされたのか!?」

「確かに、貰った。
正確には、送られてきたんだ」

「は?どうゆうこと!!?」

「落ち着け、亜夢!!」

「はぁ…はぁ…落ち着いていられねぇよ!!」
怒りと不安と興奮で、息が荒くなる亜夢。

「冬菜とお揃いのシガレットケースをくれたんだ。
でもそれは、お前のため!!」

敏郎は、できる限り冷静に亜夢に言い聞かせた。

「は?
俺のためなら、トシに土産なんか渡さねぇよ!!」

「そうじゃねぇ!!
翠李ちゃん、俺に“亜夢くんとずーっと仲良くしてほしいから”そのために土産を送ってくれたの!
翠李ちゃん、いつも言ってるだろ?
“亜夢さんのこと、よろしくお願いします!”って」

「………」
子どものようなに、ブスくれている。

「お前と同じ」

「は?」

「翠李ちゃんは、俺に亜夢くんと仲良くしてほしくて俺に送ってるに過ぎない。
亜夢くんだってそうだろ?
翠李ちゃんに“ずっと好きでいてもらいたくて、プレゼントしてる”
お前と同じだよ!」

「………」

「だから!
お前の思ってるようなことは、一切ない!!」

敏郎にそう言い切られても、メンヘラ亜夢には一切届かない。


もしかしたら翠李ちゃん…俺よりトシくんのこと…………



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