メンヘラ・小田切さんは今日も妻に貢いでいる
それからもゆっくり街を歩いて、夜は自宅マンションで食事をする。

亜夢が「ちょっと待ってて」と言って、一度クローゼットに向かった。

戻ってきた亜夢は、サンタの格好に着替えていた。

「わぁ〜!
亜夢さん、可愛い!」

「ワタシノ、ナマエハ、アムン・オダギリーノ、デ
ス!」

「フフ…!」
片言の日本語のように話す、亜夢。
それが可愛くて、翠李はクスクス笑う。

「アナタニ、プレゼント、ヨウイ、シマシタ!」

「え?プレゼント?
でも、パーカーは?」

「ソレトハ、ベツデス!」

「ありがとう!」

「コレ、ウケトッテ、クダサイ!」

「ありがとう!
……………え?」

分厚い、封筒を渡される。

(も、もしかして…!!
“また”大金!?)

開けると………

「え……これ……」

お金と……手紙が入っていた。

「亜夢さん、読んでい?」

亜夢が頷く。

亜夢の達筆な字をなぞる。

【すいちゃんへ
結婚一年目だね!
今日も、一緒にいてくれてありがとう!
俺みたいな、面倒くさくて汚れた男の奥さんになってくれてありがとう!
お袋との仲を取り持ってくれて、ありがとう!
すいちゃんのおかげで、お袋と向き合っていけてます。
クリスマスプレゼントだけど、今まで贈り物ばっかし過ぎて、何を贈ったらいいか本当に思いつかなくて……
だから、現金になったよ。
ごめんね。
せっかくの一年目の結婚記念日で、クリスマスなのに。
だからね。
このお金で、また旅行行こうよ!
露天風呂付きのとこ!
俺は本当に、幸せ者です!
すいちゃんに出逢えて良かった!
すいちゃんに好きになってもらえて良かった!
すいちゃんの傍にいれることが、俺の幸せです!
これからもよろしくね!
あむより】

翠李は、泣いていた。
感動して、涙が止まらない。

「亜夢さん」

「ん?」

「私も、亜夢さんに出逢えて良かった!」

「うん!」

「亜夢さんに好きになってもらえて良かった!」

「うん!」

「亜夢さんの傍にいれるの、私も幸せ!」

「うん!」

「亜夢さん、好き!大好き!」

「うん!俺も!」

抱きつく翠李を、亜夢は抱き留め頬を擦り寄せた。


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