α様は毒甘な恋がしたい

「今はハルヒという子の記憶も入り込んできたので、憎しみが増えてしまって。自分はハルヒだとは思えないのに、ツチノコに斧を振り下ろしたあの店主が、どうしても許せないんです」

「……」

「腹黒なんですよ、私。みんなに嫌われるのが怖い八方美人タイプだから、顔には出さずに隠してばかりいますが」



「……八方美人かぁ、私もよ」


 あっ、祈さんが苦笑いを浮かべてくれた。

 もう少し私の心の闇をさらけ出したら、心を開いてくれるかな?


「戒璃くんのことも、ここ2年半ほどずっと許せませんでした。私を捨てるなら首を噛まないで欲しかったのにって、恨んでしまって。実は私、戒璃くんに再会した時に憎しみをぶつけちゃったんです。でも憎しみの裏には、捨てられた悲しみがあって。大好きなのに手に入らない辛さがあって。その悲しみや辛さが募りすぎたからこそ、恨みに変わっちゃったんだろうなって痛感しました。悲しい気持ちを上手に伝えられる人だったら、私は戒璃くんを傷つけずにすんだんですよね、きっと」

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