α様は毒甘な恋がしたい

 ソファに座ったまましばらくの間、天井を見つめていた祈さん。


「前世の私も、人に好かれたくて誰にでも優しさを振りまいていたな」

 苦しそうにこぼしたボヤキに


「祈さんも、前世を覚えているんですか?」

 私は前かがみで質問を飛ばす。


「神様はいじわるよね」

 指で涙をぬぐう祈さん。


「私の中に前世の記憶を植え付けなければ、今頃、私はオメガ嫌いになんてなっていなかったと思うのに……」

 落ち着いた声色で過去をほどき始めた。

 

「ねぇ、アルファ狩りって知ってる?」


 ……えっ?


「前世で私が住んでいた国は、オメガたちせいで滅んだのよ」


 ソファから立ち上がった祈さん。

 怒りを封じ込めるように、私に背を向けこぶしを握り締めている。

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