腹黒弁護士に囚われて、迫られて。ー輝かしいシンボルタワーで寵愛されていますー
俺も和歌も静かにお母さんの話を聞く。
「和歌を幸せにしてくれるって思ったのよ。この人なら信用できるって……」
「お母さんだけではなく、和歌さんも『この人なら信用できる』と思っていたと思います。本来ならば、婚約者は自分の命を投げ売ってでも大事だと思える人だと思います。尚人さんがしたことは裏切りです。お母さんも、和歌さんを大切に思うなら許さないでください」
そう言うと、お母さんは俺に「色々協力くださりありがとうございました」と頭を下げた。
「話は変わりますが、俺はお母さんのことを良く覚えてますよ。俺は和歌さんが学校を休んだときに、よく届け物をしていたんです。お母さんにお茶菓子ごちそうになりましたし」
「え、あっ……覚えてるわ、あなたが……あの時の?」
「はい。あの時の東郷暖です。和歌さん、婚約者に追い出されたと言っていたので、ベリが丘のツインタワーにある弁護士事務所の空き部屋で匿っていました」
「…………そうなの?」
お母さんは俺のことを思い出すと、一気に表情が明るくなった。