腹黒弁護士に囚われて、迫られて。ー輝かしいシンボルタワーで寵愛されていますー
暖は私の目を真っすぐ見て「浮気されてしょうがないとかない」とキッパリと否定した。
「ーーなあ、和歌。実は婚姻届け持ってきてるんだけどさ、今日出しに行かね? コンビニで戸籍謄本手に入れれるし」
暖は不安そうな表情で問いかけてきた。
「私は大丈夫だけど……」
「もう尚人って言わせたくないから。籍入れたらもう尚人を思い出すのも禁止」
尚人に嫉妬する暖。もう尚人のことはなんとも思っていないのに、申し訳ないことをしてしまった。
私はこの日、暖と婚姻届けを持って役所の窓口に婚姻届けを提出した。
こうして私の苗字は「有栖川」から「東郷」になり、晴れて夫婦となった。
役所の帰り道、暖と手を繋いで外を散歩する。
「老後もさ、こういう風に、手つないで歩いていような」
もう老後のことまで考えている暖がおかしくて幸せで、笑ってしまった。
「あ、違うか。先に結婚式だよ、結婚式。高校の時のクラスのやつらは全員呼ぶし、もういっそのこと豪華客船を貸し切って盛大に結婚式するか」
「絶対楽しいぞ」と非現実的な妄想をする暖は、いつも思うけれど、どこからそういう発想を思いつくのだろう。