腹黒弁護士に囚われて、迫られて。ー輝かしいシンボルタワーで寵愛されていますー
私の目の前に近寄るなり、屈んで息を整えている。
「――はあっ、大丈夫か?」
「うん、心配かけてごめん……」
「和歌に何もなくてよかった。そんな大荷物だったら、変に声かけてくるヤツもいるからよ」
尚人は私がこの量の荷物を持っていても、見て見ぬふりをした。けれど、暖は違う。暖はこんなに心配してくれる。
「……私のこと大嫌いなはずなのに、顔も見たくないはずなのに迷惑かけてごめん」
「なんでそうなるんだよ、大嫌いだったら突き放してる」
「だって昔、ずっと口喧嘩してたし……」
「おまえは俺のこと嫌いだったかもしれないけどな、俺は……嫌いじゃなかった」
耳を真っ赤にさせて顔を伏せる暖。
ずっと嫌われていると思っていた。だから、目を合わせると突っかかってくるんだと思っていた。
「……ごめん、私、知らなくて。一方的に嫌ってた」
「うん、嫌われてると思ってた」
「でも、今は違うから。今は暖のこと尊敬してるし、と、友達になりたいって思ってるから……」
「俺はおまえと友達になりたいわけじゃない」
「……あ、ごめん。依頼人と弁護人って立場になるのにね」
自惚れた。
暖が心配してくれるから、優しいから、つい友達になりたいなどと、調子に乗ってしまった。