腹黒弁護士に囚われて、迫られて。ー輝かしいシンボルタワーで寵愛されていますー


 付き合っていた女性も多そうだ。


 過去の女性の事も聞いてみたかったけれど、終わったことを根掘り葉掘り聞くのもどうかと思い、

「なんでここに入ったの?」

 誰もが特別な時に利用しそうな、この場所に入った理由を聞いてみる。


「嫌だった?」

「ううん。ここ、尚人といつか来れたらいいねって話てた場所だから……」


 尚人の事は口に出さないつもりだったのに、気づいたら思い出話をちらつかせてしまった。


 けれど暖は、『ふーん』と興味なさげに相槌を打ちながら、

「サウスエリアのショッピングモールってこともあって、ベリが丘のレストランでは格段に値段が安いんだよ。比較的にいつでも来れそうな場所だけど」

 ――と、不思議そうに尋ねた。


「尚人ね、ベリが丘よりひと駅先の職場に通勤してるから。給料もそんなに高いわけじゃないみたいなんだ」


 いくら貰っているのかは知らないけれど、尚人は「無駄遣いするほど余裕がない」と言っていた。給料はそんなに高くはないはずだ。


「生活費はどうしてたんだよ」

「日用品が尚人で、私がご飯の食材担当。家賃、光熱費は全部折半」

「ご飯の食費って、そっちのが高くつくだろ」

「尚人は、将来二人で暮らすときのために貯蓄しときたいって言ってくれてたから」


 一通り、お金周りはどういう役割だったかを話すと、暖は『ハア』と、大きく息を吐いた。


「俺なら、和歌が働いていようが、働いてなかろうが、不自由ないくらいの生活費は渡すし、好きに使えるように別で多めに渡すし、ちゃんと家のことも、家事もする。和歌にばかり負担をかけないようにする」


 暖は自分ができる男だと、尚人に対してのマウントを取ってきた。


 尚人がいかにダメな男か、思い知らされているようで辛い。


「……そっか、暖は良い彼氏になりそうだね」

「…………おまえの、な。ほら、料理運ばれてきたぞ」


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