腹黒弁護士に囚われて、迫られて。ー輝かしいシンボルタワーで寵愛されていますー
ぶーちゃんは真島が告げる俺の予定を聞きながら、「すごいじゃん」と驚いている。
「いや、凄いのはぶーちゃんだろ。BUSAのカズ」
「俺はたまたま……運っていうか、東郷は有名人ってわけじゃないし、実力じゃん。その顔面だし抱かれたい女たくさんいるんじゃない? 今なら有栖川落とせそうだよね」
「……なんでそこに有栖川の名前出てくんだよ」
「いや、クラスの全員、東郷が有栖川に惚れてんの分かってたし、バレバレだった。気づいてないのは有栖川だけなんじゃ?」
……知らなかった。
俺の、和歌に向ける好意はクラス中に知れ渡っていた。
「でも、そうだよね。有栖川さんも、もう二十七だよねー、結婚してんのかな?」
昔話に花を咲かせすぎて、一向に本題に入る気配がないが、和歌の話なので乗っかることにした。
「アイツ、婚約者がいるらしい」
「……え、そうなの? 東郷ドンマイ」
「振り向かせたくて頑張って口説いてるんだけど、全然なびかねぇ」
「え? 口説いてるって? 婚約者いるのに?」
「まあな、全然俺の気持ち気づかれてないけど。ちょっとワケあって有栖川を匿ってる」
「え? なんか俺の件よりむしろそっちが気になるよ。なに? 東郷、有栖川と浮気してんの? まだ有栖川のこと好きなんだ?」
ぶーちゃんは、「諦めわるっ!」とでも言いたそうな、冷たい目を俺に向ける。