腹黒弁護士に囚われて、迫られて。ー輝かしいシンボルタワーで寵愛されていますー
「ありがとう。久しぶりのチョコ、超美味い」
ぶーちゃんはフォークでチョコケーキを刺しながら、口いっぱいに頬張った。
「そもそも、ぶーちゃんはなんでアーティストになろうと思ったんだよ」
高校時代にも一度理由は聞いたけれど、改めて質問した。確か、高校時代は「俺の書いた歌を一人でも多くの人に届けたい」という、純粋な理由だったはず。
ぶーちゃんは口を開き、
「……モテたかったから」
消えるような小さい声で返事をした。
「ん? なんて?」
上手く聞き取れなかったために、また問いかけると、
「女にモテたかったから! でも、アーティストで売れ始めたら変なファン多いし、ファン同士揉めだすし、怖いし、逆に女恐怖症になっちゃって……」
ぶーちゃんの本音が漏れた。
「女恐怖症になって?」
「……いっ、未だに女性とつき合ったことないし」
少し離れて俺達の会話を聞いていた真島がビックリしすぎて「つき合ったことない!?」と大声で叫んだ。
「……真島、落ち着け。ぶーちゃん、漢貫いてんだ、すげぇだろ」
「ただのヘタレでは」
真島がぶーちゃんに向ける目線が、同情に変わってしまった。