つれない男女のウラの顔
目的地も決めず、ただ海沿いの道を車で走り続けた。もちろん手は繋いだままで、昔聴いた懐かしい音楽をかけてみたりして。
道の駅に寄ったり、海に沈む夕日をスマホで撮ったりもした。ふたりの時間を楽しむように遠回りをして、晩御飯は口コミで人気のお店を調べて行った。
お昼は海鮮だったからと、成瀬さんは肉料理を頼んでいたから、やはり彼はお肉が好きらしい。マイコが知ったらびっくりするだろう。
学生のような初々しいデートがただただ楽しかった。お店を出た時には外はもう真っ暗でびっくりした。
朝から一緒にいたのに、驚くほど時間が過ぎるのが早い……いや、実際には昨日の夜から一緒にいたから、丸一日一緒にいたようなものなのにあっという間に感じた。
さすがにそろそろ帰宅ルートだろうと、覚悟を決めて助手席に乗ると、成瀬さんはエンジンをかけながら静かに口を開いた。
「京香はまだ時間大丈夫?」
「えっ、あ、はい!めちゃくちゃあります!」
まさか過ぎる問いかけに、またまたテンションが上がる。それは成瀬さんにも伝わったようで、成瀬さんは「めちゃくちゃってなんだよ」と吹き出すように笑った。
「海沿いにある、夜景の見える公園にでも寄って帰るか。デートの定番スポットらしいから」
「行きます、行きたいです。よくドラマとかで見るデートスポットですよね。行ってみたいなって思ってました」
わざわざ定番スポットを調べてくれたのだろうか。嬉しくて思わず顔がニヤけた。