傷心した私が一夜を共にしたのはエリート俺様同期~いつも言い合いばかりだったのに、独占欲強め、嫉妬心剥き出しな程に溺愛してくるのですが?~
 日中、一之瀬はクライアントとの打ち合わせがいくつかあってほぼ外に出ている為、顔を合わせる事も無く終始平和ではあったものの、メッセージ攻撃がいつも以上に酷かった。

 勿論心配しての事だとは分かっているけど、これからこんなのが続くと正直疲れてしまう。

(……もういっその事、誕生日を待たずに付き合おうって言った方が……いいのかな……)

 恐らく一之瀬は正式に私の彼氏になりさえすれば安心する訳で、それならばもう、今すぐにでも言ってしまうべきか悩んでいた。

(……いや、でもやっぱり違うよね……っていうか、焼きもち妬かれるのは嫌じゃないけど、こうも酷いのはちょっと……)

 付き合うならばやはり信頼関係は大切。

 私は館林さんの事をあくまでも仕事のパートナーとしてしか見てないし、一之瀬の事が好きだからHだってする訳で……そういうところをもっと信じてもらいたい。

 それに、このままじゃ付き合ってからも束縛され続けそうで不安になる。

(一之瀬と、一度よく話そう……。正式な返事は誕生日に……それまでにきちんと考えるって言おう)

 一日そんな事ばかり考えながら仕事を終えた私は一之瀬と一緒に帰る為、彼が仕事を終えるのを休憩室で待っていると、

「本條さん、お疲れ様」
「あ、館林さん、お疲れ様です」

 仕事を終え、煙草を吸いに来たらしい館林さんに声を掛けられた。

「何だか今日一日心此処にあらずって感じだったけど、大丈夫?」
「あ、はい、大丈夫です。すみません……」
「そう言えば、さっき部長と会って聞いたんだけど、クライアントとの顔合わせ、来週の金曜日になりそうだって」
「そうなんですね」

 来週なら特に問題無いなと思いながら彼の言葉に頷いていると、

「陽葵!」

 仕事を終えた一之瀬が私たちの間に割って入ってきた。
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