天帝の花嫁~冷徹皇帝は後宮妃を溺愛するがこじらせている~
「雄珀、弦武!」

 遠くから雲朔が俺たちを呼ぶ声が聞こえたので、一瞬幻覚かと思った。

「うわ、珍しい。話しをすればなんとやらですよ」

 弦武が立ち上がって雲朔を迎える。雲朔はたった一人で練兵場にやってきた。

「元気そうだな」

 雲朔が珍しく笑顔で懐かしそうに言った。

「どうしたんだよ。なにかあったのか?」

「いや、最近体がなまっているから運動しようと思ってな」

 珍しいこともあるもんだ。俺は驚きながら雲朔を見つめていると、弦武が耳元で俺に囁いた。

「あんなこと言ってるけど、俺たちに会いたかったんじゃないですかね?」

「そうだな、あいつはそういう男だ」

 コソコソと話していると、雲朔が放り投げてあった木刀を手に取って言った。

「おい、準備運動になるくらいのしぶとさは見せてくれよ」

「ダァーッハッハ、なにを言ってやがる。俺はお前が女に腑抜けている間にも鍛錬していたんだ。一瞬でぶちのめしてやるよ。それともなにか? 皇帝だからって手加減してほしいのか?」

 雲朔と睨み合ったまま、間合いを詰める。真剣勝負の始まりだ。

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