学校イチ人気者なアイドルに恋する私。を、なぜかそのお兄さんが愛してくるんだが。
「にしてもホラー得意って、きみ強すぎん?」
「…なかには苦手なのありますよ。実録系とか」
「あー、ちょっとノンフィクション風味にしてあるやつでしょ?あーいうのは確かにリアルだからね」
「でも藍さんもホラー得意なんて、初耳でした」
「俺?ふつーに苦手だよ」
………ねえ、それ先言ってよ。
そもそも私が観たそうだからって理由だけで選ぶことないし、苦手な映画に金落とすってどーかしてる。
「ばかだろ」と視線だけで伝えると、彼はそれさえ思いやりで返してきた。
「律ちゃんが観たいものを俺は観たかったわけだし、これで俺はホラーも好きになるのさ」
「……たぶんその持論だけは誰も理解できないですよ」
「だって、これが律ちゃんと初めて一緒に観た映画ってことだろ?そんなの怖さより嬉しさのほうがでかいっしょ」
「…………」
そー、ですか。
そっけなく返してしまってから後悔する。