学校イチ人気者なアイドルに恋する私。を、なぜかそのお兄さんが愛してくるんだが。
「今日はありがとう。楽しかった」
「…こちらこそ」
「またあとでメッセージ送っていい?」
「……いつでも」
そしてこの男は私のあたまに触れた。
もしそれが誰かに何かを対抗してるとするなら、可愛いことするんだね藍さん。
さっそく真琴は私たちを交互に見てくる。
またセカンドパートナーとかなんとかって勘違いしてきたら完全スルーしてやるからな。
「なんかふたりだけズルいっ」
「…ズルいってなんだよ5歳児」
「ズルいズルい!!わたしが居ないときに限って2人だけのヒミツ作ってるなんて!!」
「そーだよ。あー美味しかったし楽しかったなー」
「どこ行ってたのっ!なに食べてきたの!もうっ、教えてよお兄ちゃん!!」
痴話喧嘩のような兄妹の絡みを満足するだけ眺めて、ふっと瞳を伏せながら私は玄関を開けて家のなかに入った。
こんなことがこれからもっと増えていくんだろう。
藍さんは真琴の代わりになれる。
でも私は上鷹の代わりにはなれない。
絶望的な三角関係の終着点は、やっぱりこうなるんだ。