君と二度目の恋に落ちたら

第3章 幸せなひと時

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朝の目覚ましが鳴る。私はその目覚まし時計でいつもの時間に目を覚ます。

起き上がった時、頭がひどくボーッとしていた。特に体調が悪いという感じではないが、先ほどまで前に見たような知らない空間にいる夢を見たような気がする。気がする、というのもあまりはっきりと夢のことを思い出すことができないのだ。

しかし、1つ言えることは、今日の夢の中のその空間に前野くんはいなかったということだ。

夢に出てきてなかったな…と少しがっかりした気持ちを感じたところで私は1人で小さく笑い、それをきっかけに意識がはっきりしてきたようだ。

いつもの時間に起きているので、あまり急がずとも遅刻をすることはないのだが、なんとなく今日はさっさと身支度を済ませて学校へ行こうと考えた。

そう決めてからは無駄なく動き、学校に行く支度を進めた。

私がいつもより15分ほど早く家が出られる状態になった頃、父がいつもよりは早いものの、そんなにゆっくりもしていられないであろう時間に寝室からリビングに降りてきた。

私がもうすでに出ようとしている姿を見て、父は慌てて時計を見た。いつもよりは余裕があると思っていたのに、私がもう玄関に立っていたので、時間を見誤ったと思ったのだろう。

私はそんな姿の父を見て声を出して笑い、「今日はちょっと早く学校に行ってくる」と声を掛けて父を安心させた。

「びっくりした…って言っても急がないとだが…。行ってらっしゃい、車に気をつけるんだぞ！」

「いってきまーす」

私は間延びした言い方をしながら玄関を出た。