君と二度目の恋に落ちたら
前野くんを目にした瞬間、先ほどまでとは違う緊張感に襲われた。彼の手が、私の手と触れている…手汗は大丈夫だろうか。間違いなく耳まで赤くなっていることがわかるほど、熱くて仕方がないが、これもバレているだろうか。
なんて考えを瞬時に頭の中で巡らせていると「もう体調は大丈夫ですか?」と前野くんが声をかけてきた。
「は、はい…おかげさまであの後からまったく問題なく…」
「それはよかった」
このやりとりだけで私はその後に続けられなかった。なんて話せばいいのか、何も思い浮かばない。まさか前野くんとの順番が回ってくるとは思っていなかったのだ。
しかし、よく考えてみれば6組の先頭から4組、2組と続いて円を作ったので、前野くんが回ってくる可能性も充分にあるとあらかじめ考えられたはずなのに、心の準備ができていなかった。
何か話そう、何か話そうとしているうちに、もうすぐ次の人と交代する時間が来てしまう。振りの終盤に差し掛かり、何も言葉が出てこなかったことに落胆していると前野くんが口を開いた。
「今日の昼休みも、自販機のところ来ますか?」
私はその言葉に驚き、言葉に詰まったが、次の人と交代するために前野くんとの手が離れた瞬間に「はい」と小さく答えた。
笑顔で言ったつもりだったが、うまく笑えていただろうかなんて考えているうちに次の人との順番が回ってきた。
なんて考えを瞬時に頭の中で巡らせていると「もう体調は大丈夫ですか?」と前野くんが声をかけてきた。
「は、はい…おかげさまであの後からまったく問題なく…」
「それはよかった」
このやりとりだけで私はその後に続けられなかった。なんて話せばいいのか、何も思い浮かばない。まさか前野くんとの順番が回ってくるとは思っていなかったのだ。
しかし、よく考えてみれば6組の先頭から4組、2組と続いて円を作ったので、前野くんが回ってくる可能性も充分にあるとあらかじめ考えられたはずなのに、心の準備ができていなかった。
何か話そう、何か話そうとしているうちに、もうすぐ次の人と交代する時間が来てしまう。振りの終盤に差し掛かり、何も言葉が出てこなかったことに落胆していると前野くんが口を開いた。
「今日の昼休みも、自販機のところ来ますか?」
私はその言葉に驚き、言葉に詰まったが、次の人と交代するために前野くんとの手が離れた瞬間に「はい」と小さく答えた。
笑顔で言ったつもりだったが、うまく笑えていただろうかなんて考えているうちに次の人との順番が回ってきた。