冷酷王子は、異世界から来た少女を溺愛する
次の日。
アイル達が起こしにきた。
「おはようございます。
炎舞様、マリア様!」
「ん…アイル、おはよう…。」
「おはようございます、マリア様。」
「今日、朝風呂はパスするわ。」
「かしこまりました。」
「炎舞様、起こさないと…。
炎舞様!
起きてください!」
「ん…マリア…?」
「そうですよ。
今日、魔法の練習したいんですけど…。」
「分かった…。
起きるよ。
他国の王女も?」
「はい。」
「分かった。」
炎舞様を起こし、あたしはアイカと、今日の服選びに行き、着替えて炎舞様を待っていた。
炎舞様もすぐに来て、各国の国王様と王女の様子を見にいった。
まず行ったのは、冷樹様とヒロのとこ。
「冷樹、開けるぞ?」
「ああ、構わない。」
部屋に入ると、ヒロは昨日買ってもらった服を着ていた。
「これから、魔法の練習?
ワタシ、楽しみなんだけど。」
「ふふ…。
楽しみにしてて。
他の子のとこも行って、みんなで行こう?」
「いいね。
そうしよう。」
次に行ったのはヤエのとこ。
ヤエも昨日買ってもらった服を着ていた。
次に行ったのはミカのとこ。
ミカも昨日買ってもらった服を着ていた。
最後にユカのとこに行った。
「ユカ、魔法の練習しに行かない?」
「いいけど、なんでわたしが最後なの?」
迎えに来た王女達は、ポカーンとなり固まった。
「わたしのことは、1番に迎えに来るべきでしょ?」
「ユカ、どうして?
みんな同じ王女なのよ?
誰を1番にとか関係ないでしょ?」
「わたしは、みんなと同じ王女じゃないわ。
特別なの。」
「どう特別なの…?」
「みんな、1カ国でしょ?
でも、わたしは2カ国の王女なわけ。
マリアさんには敵わなかったけど、みんなより多いのよ?
だったら、特別扱いするべきでしょ?」
「なら、ここは、魔法の世界。
魔法が強い人が特別なんじゃないの?」
「マリアの言う通りよ。」
「そうですわ。」
「そうよ。」
「いいわよ。
みんなより、わたしが強かったらいいのよね?
受けて立つわ。」
何故か、ユカと魔法対決することになった…。
魔法練習場に着くと、炎舞様が、テリトリーを決めた。
各々、教えてもらった、魔法を口にするが、うまく行かない。
そんな中、あたしは大きな魔法ばかり連発で出した。
「キャロイルカ!」
「マリア、そこから、大きさを変えてごらん。」
「はい。」
あたしは、イルカを大きくした。
各国の国王様方は、驚いていた。
「炎舞!
お前の奥さん、どうなってんだよ!!
こんな強い魔法ばかり!!」
「この間、覚えさせた。」
「覚えさせただけで、こんなの出来るもんなのか?」
「マリアは出来た。」
「簡単に言うなぁ…。
魔力、オレ達と変わらないじゃん。」
「炎舞様、どうされました?」
「ロピイルカって唱えて。」
「ロピイルカ!」
すると、水で出来たイルカが出てきた。
「次は、ポルカイルカ。」
「はい。
ポルカイルカ!」
今度は、葉と花で出来たイルカが出てきた。
「次は、ヴィライルカ。」
「ヴィライルカ!」
砂で出来たイルカが出てきた。
「次、サティイルカ。」
「サティイルカ!」
雷で出来たイルカが出てきた。
「次、ロザイルカ。」
「ロザイルカ!」
黒い煙で出来たイルカが出て来た。
「最後、エリスイルカ。」
「はい。
エリスイルカ!」
氷で出来たイルカが出て来た。
「完璧!
じゃあ、全魔法のイルカを出してごらん。」
「はいっ!」
あたしは、炎舞様に言われ、チカラを出し切るつもりで、食いついて練習した。
「ちょ…冗談だろ…!
全部出した…。
マリアちゃん、どれだけ強いんだよ!」
「マリアなら出来るって言ったでしょ?」
「は…はい…。」
「疲れたでしょ。
休憩しよう。」
「はい。」
「マリア。
休憩の後、最上級の魔法を教えるよ。」
「はい。
分かりました。」
「まだ、休憩する?」
「いえ。
頑張ります。」
「分かった。
呪文はキャロシルバムだよ。
やってごらん?」
「はい。
キャロシルバム!」
出て来たのは、炎を纏った馬車…。
「流石、マリア!」
「嘘だろ…。
炎舞の奥さん、キャロシルバム出した!!」
「しかも、大きさも申し分ない大きさ…。」
「炎の出かたも完璧ですね…。」
各国王様達は、拍手してくれた。
他の王女達は…?と言うと、ヒロは氷魔法が特化していて、ヤエは闇の中でも呪術に特化していて、ミカは未来が見える水見式が得意だと分かった。
問題は、ユカ。
全般的に強くなりたいんだろうけど、そこまでの力はなく、何かに特化しているわけでもなく…。
この結果に、ユカは満足しておらず、責め立てられるのは、風雅様とあたし…。
何故、あたしなのかと言うと、あたしが隣で大きな魔法を出していたから、集中出来なかったと…。
なんて言うか…取ってつけたような理由…。
「風雅様!
マリアさんのような魔法が使いたいです!」
「それは無理っ!」
「なんでですか?!」
「魔力が違い過ぎる!」
「やってみないと分からないじゃないですか!」
「じゃあ、やってみろ!
キャロイルカだ。
術を消すときは、手を叩くこと。」
「はい!
(これで、マリアさんと一緒!)
キャロイルカ!!」
すると、小さなイルカが出来た。
「手のひらサイズだわ。」
ミカの一言で、周りは大笑い。
「今に見てなさい!
あなた達より強くなるんだから!!」
ユカは、半泣きになっていた。
みんな、そんなユカを放っておき、シャワーの後、食堂に行った。
今日の朝食は、フィランスのフィランストーストだった。
「今日は、フィランストースト!!
これ、美味しいのよね。」
あたしは、大喜び。
他の王女も、ひと口食べて、美味しい。と言った。
炎舞様は、朝食の後、中央の国まで馬車で行くことを伝えた。
時間になり、各々、用意された馬車に乗った。
ここでも、ユカは1番前がいい!と駄々をこねたが、みんな無視して出発した。
迷いの森に入り、周囲を気にしていたら、1人の男性が、モンスターに襲われていた。
あたしは、すかさず、モナウォッチを手にして、情報を得た。
追われているのは、他世界から来た人で、モンスターは野生のオーエンス。
オーエンスは、オオカミのような顔に、大きさは人より大きく、たまに人を食べるモンスター。
そして、とても凶暴だと言うことが書かれていた。
あたしは、馬車を降りると、男の人の前に立った。
モンスターも距離を置く…。
「(魔力が強いこと悟った?)」
そう思いながら、距離を縮めようとすると、距離をとり、後ろに下がる…。
こんな時のために、ロケットランチャーも手に入れていた、あたし。
早速使ったが、距離を取られてしまい、うまく出来ない…。
「(このまま、森の奥に行ってくれたらいいのだけど…。)」
その願いは虚しく、モンスターに届かない…。
仕方ないので、キャロイルカを使った。
モンスターは、焼かれてしまい、跡形もなくなった。
助けた男性は、炎舞様が連絡してくれた、迷いの森の番人に引き取られていった。
「あの場面でよく、魔法出せたね。
凄いよ!
で、ロケットランチャーなんだけど…。
これももらったのかな…?」
「あれ、言いませんでしたっけ?」
「言われた覚えないけど…。
出てきたときは、かなり驚いたよ。」
「すみません…。
戦うことしか考えてなくて…。」
「いや、いいんだよ。
なるほど…。
でも、モンスターに対しての態度は良かったよ。
弱いとこ見せたら、そこを突いてくるからね。」
そうこうしている間に、中央の国に着いた。
モカがいつものように迎えにきてくれた。
「火の国の国王様は、いつものお部屋へ。」
「ん。」
「火の国の王女様は、こちらへ。
前回とは異なるお部屋ですので、王女様が集まり次第、ご案内させていただきます。」
「分かったわ。」
「水の国の国王様は、いつものお部屋へ。
水の国の王女様は、火の国の王女様と、一緒にいてください。」
「分かったわ。」
モカはどんどん案内を済ませていく。
「王女様。
お揃いですか?」
王女全員で返事した。
「良かった。
王女様。
今回からは、こちらのお部屋を控え室に、お使いください。」
モカに案内されて入った部屋は、舞踏会でもあるのですか?ってくらい広くて、ゴージャスだった。
「では、失礼致します。」
モカは、案内が終わると下がった。
あたし達は、部屋の探索に出た。
「すごく広いね…。
舞踏会会場かなぁ?
ヒロ、どう思う?」
「マリアの言う通りでしょ。
こんなに広いんだもん。」
「下手したら、選別会場よりも大きいかも…。
モカに聞いたら、何の部屋か分かるんじゃない?
マリアちゃん、仲良さげだし、聞いてみてよ。」
「あ…あたしぃ?」
みんなの(ユカ除く)視線に耐えれず、聞きに行った。
「あ、モカ。」
「これは、火の国の王女様。
どうされました?」
「今回の部屋なんだけど…。」
「お気に召しませんでしたか?」
「いや、素敵なお部屋で満足よ。
ただ、普段何に使われてる部屋なのかなって…。」
「あーあ、そのことですか。
後に分かることなのですが、あそこで定期的に、舞踏会を開いてるんですよ。
各国の皆さんと貴族を集めて。」
「そうだったのね。」
「最近まで、結婚ラッシュだったので、使えませんでしたが、結婚式も終わったので、これからは使うと思いますよ。
貴族との交流は、大切ですから。」
「なるほどね。
分かった。
みんなに伝えておくね。」
「はい。」
モカと離れ、みんなの待つ部屋に戻ってきた。
「で、どうだったの?」
好奇心旺盛なヒロが聞いてきた。
「この部屋は、舞踏会用だって。
貴族達とあたし達とで、交流を深める会らしいわ。」
「そうなんですのね。」
「みんなさ…。
どうやって、貴族の名前覚えた…?
ワタシ、全然覚えれなくて…。」
「私も…。」
「わたくしは、少しだけ…。」
「あたしは、子どもの名前だけ覚えた。」
「すごっっ!!
どうやったの?!」
「ただ、選別会場に行くときに割り込んできたから、スリーヴァーを小さくしてあげたのと、選別中にリトラが来たときに、抱っこさせてって群がってきた子達だったから、すぐに覚えれたの。」
「それって、迷惑だったから、覚えれたってこと?」
「そう言うこと!」
「なんだぁ!
初めてじゃなかったのね。
ずるいわ、マリアちゃん。」
「でも、親は初めてだから、覚えるの大変だよ…。」
「聞きなれない名前ばかりですものね。」
「そうなのよ。
もっと親しみやすい名前がよかったわ。
アカギとか。」
「ヒロ、それいいかも!
改名させるのよ。」
「マリアちゃん、それは無理よ…。」
「やっぱり?
地道に覚えていくしかないわね。」
「ユカさん。
ユカさんは、貴族のこと覚えられたんですの?」
「いいえ。
まだよ。」
「そ…そうですの…。」
あたしたちの輪に入ろうとしない、ユカ。
そんなユカを、あたしたちは心配していた。
どんなに、悪口を言われようが、返答が無かろうが、関わろうとしないのも、全て受け流し、心配の方が勝ったから。
それでも、ユカには響かない…。
帰りの馬車の中で、あたしは炎舞様に話した。
「うーん…。
マリアの言葉は、ユカちゃんには届かないよ。
ユカちゃんの頭の中は、マリアに勝つことしか無いから。
それを仲良くなんて出来ないよ。
諦めることだね。
あー…。
それと、ユカちゃん、風の国でもワガママ言いまくってて、風雅がギブしようとしてるんだよね。
でも、光成のとこももどれないし、このままだと、王女の称号取られるかも。」
「王女の称号を取られる?
誰にですか?」
「モカだよ。」
「そうなったら、どうなるんですか?」
「国民になる。
風雅のとこでも、光成のとこでも、どこでもいいけど、国民になることになってる。」
「そんな…。」
「そうなる前に、ユカちゃんを止めないと。」
「そうですね。」
重い空気のまま、お城に着いた。
どの王女も、国王様から同じことを聞かされたのであろう、暗く俯いている…。
そこを堂々と歩く、ユカ。
ワガママもやめる気ゼロ…。
国民になるなんて、思ってもいない様子…。
それをみて、あたし達は、頭を抱えた…。
あたしは、ユカ以外の王女を、あたしの部屋に呼んだ。
「みんな、国王様から聞いてると思うけど、ユカのこと…。」
「ワタシ、聞いたわ。
このままだと、王女の称号をなくして、国民になるって。」
「私も。」
「わたくしもです。」
「どうにか、あのワガママを治さなくちゃ…。
マリアちゃん。
ユカちゃんに、敵対心剥き出しにされてるでしょ?
何かいい案ない?」
「うーん…。
魔力の差って、どうなのか分からないけど、埋まるような差じゃないし…。
ドラゴンだって劣るだろうし…。」
「マリアさん、赤ドラゴンのメスでしたわよね?」
「そう。」
「魔力ゼロが、国王に他向かっていくようなもんじゃない…。」
「そうよ。
ミカの言う通りだわ。
マリア、なんとか出来ないの?」
「あれだけの魔力の違いを見せてもダメなんだもん。
お手上げよ…。」
「確かにそうよね…。
マリアちゃんの魔法を見たら、自分の力量と全然違うって、気づかないのかな?」
「気付くような方が、マリアさんに挑むなんてことしないと思いますわよ。」
「だよね…。
マリア、どうするの?」
「1回国民にしてみようか?」
「え?
マリアちゃん本気?」
「最後の手段は、それしかないわね…。」
「ヒロちゃん。」
「確かに…。
これまでも、散々なワガママっぷりでしたものね。
国民にしてみましょう。」
「ホントの国民って感じじゃなく、国民の生活の苦しさを3日くらい体験してもらうの。
これ、どう?」
「流石、マリアさん!
いい作戦ですわ。」
「うん!
これで行ってみよう。」
「ドキュメンタリーな感じ?」
「そうそう。
王女が一日国民になったらをやってみた!みたいなので。」
「それなら安心ね。」
「ユカに話しに行こうか。」
「そうね。
早い方がいいし。」
「ワタシも行く!」
「わたくしも。」
全員で、ユカの部屋に向かった。
「ユカちゃん、部屋に居る?」
「なに?
ミカさん。」
「みんなで来てるんだけど、入っていい?」
「いいけど?」
「じゃあ、入るね。」
あたし達は、一斉に部屋に入り、ユカに叫んだ。
「王女が一日国民になってみたぁっ!!」
「は?
何これ?」
「そのまんまなんだけど…。」
「わたしが国民になるの?!
冗談でしょ?!」
「3日間限定で。」
「国民の声を聞いてこそ王女よ。
ユカちゃんなってみようよ。」
「そうですわ。」
「ユカ、断るなんてことないよね?
ユカから始まりの企画なんだから。」
「そうよ。
ユカならいける!!」
果たして、ユカの答えは…。
「いいわよ。
やってやろうじゃないの!」
「国とどこに行くかは、あたし達で決めるから。」
「分かったわ。」
あたし達は、部屋を出て小さくガッツポーズした。
そこに、李衣様と炎舞様が来た。
「ああ、ミカ。
こんなとこで、何してるんです?」
「マリアも。」
あたしとミカは誤魔化した。
そして、そそくさと逃げた。
ランチタイムになり、炎舞様がショウタを連れて来た。
「マリア、行くよぉ。」
「はーい。」
みんなの席は、ずっと、自分の国王様の隣なのに、全然話そうとしない…。
炎舞様とあたしは、相変わらず、楽しくおしゃべり。
「そう言えば、会議終わるの早かったですね。
馬車で帰ってこれる時間でしたし。」
「そう。
会議しようにも、ぼくの国に集まってるから、そのことを話してて、すぐ終わったんだ。」
「そうだったんですね。」
「うん。
で?
マリア達は何してたの?」
「ドキュメンタリーっぽく、国民になっちゃった!をやってみようって話しで、ユカを3日間国民にしてみることにしたんです。
ユカも乗り気でOK出してくれて…。」
「なるほど…。
国民がどれほど大変かを経験させるんだね?」
「そうなんです。
そうすれば、ワガママも治るかと…。」
「いいじゃん。
その考え。
何かあったら、すぐに助けれるように、こっちも準備しておくし。」
「よかったぁ…。
反対されるかと思いました。」
「しないよ。
ユカって子は、本当に、そう言うのを体験させた方がいい。
いつからさせるの?」
「明日からです。」
「じゃあ、こっちの準備も急ピッチで済ませるね。」
「はい…。
(準備…?)」
「準備」と言う言葉に、?(はてな)が飛んだけど、後にどう言うことか分かった。
あたし達は、ユカをどの国のどの街に行かせるか悩んだ。
「ワタシ、以前いたんだから、光成様のとこはどうかと思うんだけど?」
「いきなりの貧困生活?!
富裕層じゃ何もならないしね…。」
「危険でしょ…。
だって、ユカのワガママが原因で、離婚されたようなのもよ?
いきなりは無理だって。」
「じゃあ、マリアはどこがいいと思ってるの?」
「あたしは、水の国のシルバーブレットとかどうかな?って…。」
「あんな平和な街じゃ、国民の厳しさ分からないわよ。」
「じゃあどこにする?」
「やっぱ、光の国がいいんじゃない?
貧富の差が分かって。」
「うーん…。
厳し過ぎない?」
「マリアちゃんは、優しすぎるよ。
光の国にしよう。」
「村だけど、ペウ・シモネは?
さほど、貧富の差がるとは思えないし…。」
「ヒロちゃんの意見に賛成!」
「わたくしも賛成ですわ。」
「下見とかどうするの?
いきなり、ここに来ました!じゃ、ダメでしょ。」
「じゃあ、今から見に行ってみようよ。
国王様達に頼んで。」
全員が賛成し、各々の国王様に頼んだ。
国王様達は、王女をドラゴンに乗せ、ペウ・シモネに向かった。
ペウ・シモネは、そこまで、貧富の差には、困ってなかった。
それでも、貧困層は存在するので、ユカをここに住まわせることにした。
炎舞様達は、この村の果てに拠点地を作った。
いつでも、ユカを助けに行けるように。
準備は出来た。
後は、ユカが来るだけ。
ユカは堂々と現れた。
炎舞様達は、交代で、ユカのことを見守ることに。
「1日のお金は、1万マネ。
これで生活してみて。」
竜座様が、ユカにお金を渡した。
ユカは早速、買い物に出かけた。
でも、激安スーパーですら、カレー5袋入りが3500マネ…。
1万マネすぐに使ってしまった。
「あの1万マネって、家賃、光熱費、水道代入ってじゃなかったか?」
「竜座の言う通りだ。
全て入れての1万マネだ。」
「光熱費とか払えるのか?」
「私は知らん。」
光成は、冷たい目で、ユカの仮住まいの方を見た。
何とか、3日間国民の生活をしてみた、ユカ。
ただ、お金は足りず、風雅様から援助してもらっていた。
「ユカ、どうだった?」
「どうって?」
「国民になってみて。」
「大したことなかったわ。」
「それはそうよね。
足りなかったら、風雅様に助けてもらっていたんだもん。」
「それが?
悪いの?」
「悪いでしょ。
国民は、その補填が出来ないのよ?」
「わたしには関係ないわ。」
あたしを含めた王女達は、呆れた…。
「何をしても無理なようね…。
ユカ、ワガママも大概にしないと捨てられるわよ。」
「はいはい。
覚えておきます。」
「ユカっ!」
「マリア、もう止めたら?
何言っても無理よ。」
「ヒロ…。」
あたしは、何も言えなくなった…。
そのまま、ユカ達を連れて、お城に連れて帰った。
「炎舞様、ユカはどうなるんでしょうか?」
「今のとこは、風雅が我慢してるから、変わらないよ。」
「そうですか…。」
「安心しなよ。って言いたいけど、無理だよね。
友達のことだから…。」
「はい…。」
「うーん…。
王女としての自覚、マリアで学べばいいけど…。」
「あたしは、自分自身で、王女としてどうか分からないので、なんとも言えませんが…。」
「マリアは凄いよ。
国民からも支持されてるよ。
自信持って。」
「ありがとうございます。」
「まぁ、ユカちゃんのことは、ユカちゃんにしか、出来ないことだから。
心配してると、倒れるよ。」
「はい…。」
あたしは、ユカのことが心配で中々寝付けなかった…。
アイル達が起こしにきた。
「おはようございます。
炎舞様、マリア様!」
「ん…アイル、おはよう…。」
「おはようございます、マリア様。」
「今日、朝風呂はパスするわ。」
「かしこまりました。」
「炎舞様、起こさないと…。
炎舞様!
起きてください!」
「ん…マリア…?」
「そうですよ。
今日、魔法の練習したいんですけど…。」
「分かった…。
起きるよ。
他国の王女も?」
「はい。」
「分かった。」
炎舞様を起こし、あたしはアイカと、今日の服選びに行き、着替えて炎舞様を待っていた。
炎舞様もすぐに来て、各国の国王様と王女の様子を見にいった。
まず行ったのは、冷樹様とヒロのとこ。
「冷樹、開けるぞ?」
「ああ、構わない。」
部屋に入ると、ヒロは昨日買ってもらった服を着ていた。
「これから、魔法の練習?
ワタシ、楽しみなんだけど。」
「ふふ…。
楽しみにしてて。
他の子のとこも行って、みんなで行こう?」
「いいね。
そうしよう。」
次に行ったのはヤエのとこ。
ヤエも昨日買ってもらった服を着ていた。
次に行ったのはミカのとこ。
ミカも昨日買ってもらった服を着ていた。
最後にユカのとこに行った。
「ユカ、魔法の練習しに行かない?」
「いいけど、なんでわたしが最後なの?」
迎えに来た王女達は、ポカーンとなり固まった。
「わたしのことは、1番に迎えに来るべきでしょ?」
「ユカ、どうして?
みんな同じ王女なのよ?
誰を1番にとか関係ないでしょ?」
「わたしは、みんなと同じ王女じゃないわ。
特別なの。」
「どう特別なの…?」
「みんな、1カ国でしょ?
でも、わたしは2カ国の王女なわけ。
マリアさんには敵わなかったけど、みんなより多いのよ?
だったら、特別扱いするべきでしょ?」
「なら、ここは、魔法の世界。
魔法が強い人が特別なんじゃないの?」
「マリアの言う通りよ。」
「そうですわ。」
「そうよ。」
「いいわよ。
みんなより、わたしが強かったらいいのよね?
受けて立つわ。」
何故か、ユカと魔法対決することになった…。
魔法練習場に着くと、炎舞様が、テリトリーを決めた。
各々、教えてもらった、魔法を口にするが、うまく行かない。
そんな中、あたしは大きな魔法ばかり連発で出した。
「キャロイルカ!」
「マリア、そこから、大きさを変えてごらん。」
「はい。」
あたしは、イルカを大きくした。
各国の国王様方は、驚いていた。
「炎舞!
お前の奥さん、どうなってんだよ!!
こんな強い魔法ばかり!!」
「この間、覚えさせた。」
「覚えさせただけで、こんなの出来るもんなのか?」
「マリアは出来た。」
「簡単に言うなぁ…。
魔力、オレ達と変わらないじゃん。」
「炎舞様、どうされました?」
「ロピイルカって唱えて。」
「ロピイルカ!」
すると、水で出来たイルカが出てきた。
「次は、ポルカイルカ。」
「はい。
ポルカイルカ!」
今度は、葉と花で出来たイルカが出てきた。
「次は、ヴィライルカ。」
「ヴィライルカ!」
砂で出来たイルカが出てきた。
「次、サティイルカ。」
「サティイルカ!」
雷で出来たイルカが出てきた。
「次、ロザイルカ。」
「ロザイルカ!」
黒い煙で出来たイルカが出て来た。
「最後、エリスイルカ。」
「はい。
エリスイルカ!」
氷で出来たイルカが出て来た。
「完璧!
じゃあ、全魔法のイルカを出してごらん。」
「はいっ!」
あたしは、炎舞様に言われ、チカラを出し切るつもりで、食いついて練習した。
「ちょ…冗談だろ…!
全部出した…。
マリアちゃん、どれだけ強いんだよ!」
「マリアなら出来るって言ったでしょ?」
「は…はい…。」
「疲れたでしょ。
休憩しよう。」
「はい。」
「マリア。
休憩の後、最上級の魔法を教えるよ。」
「はい。
分かりました。」
「まだ、休憩する?」
「いえ。
頑張ります。」
「分かった。
呪文はキャロシルバムだよ。
やってごらん?」
「はい。
キャロシルバム!」
出て来たのは、炎を纏った馬車…。
「流石、マリア!」
「嘘だろ…。
炎舞の奥さん、キャロシルバム出した!!」
「しかも、大きさも申し分ない大きさ…。」
「炎の出かたも完璧ですね…。」
各国王様達は、拍手してくれた。
他の王女達は…?と言うと、ヒロは氷魔法が特化していて、ヤエは闇の中でも呪術に特化していて、ミカは未来が見える水見式が得意だと分かった。
問題は、ユカ。
全般的に強くなりたいんだろうけど、そこまでの力はなく、何かに特化しているわけでもなく…。
この結果に、ユカは満足しておらず、責め立てられるのは、風雅様とあたし…。
何故、あたしなのかと言うと、あたしが隣で大きな魔法を出していたから、集中出来なかったと…。
なんて言うか…取ってつけたような理由…。
「風雅様!
マリアさんのような魔法が使いたいです!」
「それは無理っ!」
「なんでですか?!」
「魔力が違い過ぎる!」
「やってみないと分からないじゃないですか!」
「じゃあ、やってみろ!
キャロイルカだ。
術を消すときは、手を叩くこと。」
「はい!
(これで、マリアさんと一緒!)
キャロイルカ!!」
すると、小さなイルカが出来た。
「手のひらサイズだわ。」
ミカの一言で、周りは大笑い。
「今に見てなさい!
あなた達より強くなるんだから!!」
ユカは、半泣きになっていた。
みんな、そんなユカを放っておき、シャワーの後、食堂に行った。
今日の朝食は、フィランスのフィランストーストだった。
「今日は、フィランストースト!!
これ、美味しいのよね。」
あたしは、大喜び。
他の王女も、ひと口食べて、美味しい。と言った。
炎舞様は、朝食の後、中央の国まで馬車で行くことを伝えた。
時間になり、各々、用意された馬車に乗った。
ここでも、ユカは1番前がいい!と駄々をこねたが、みんな無視して出発した。
迷いの森に入り、周囲を気にしていたら、1人の男性が、モンスターに襲われていた。
あたしは、すかさず、モナウォッチを手にして、情報を得た。
追われているのは、他世界から来た人で、モンスターは野生のオーエンス。
オーエンスは、オオカミのような顔に、大きさは人より大きく、たまに人を食べるモンスター。
そして、とても凶暴だと言うことが書かれていた。
あたしは、馬車を降りると、男の人の前に立った。
モンスターも距離を置く…。
「(魔力が強いこと悟った?)」
そう思いながら、距離を縮めようとすると、距離をとり、後ろに下がる…。
こんな時のために、ロケットランチャーも手に入れていた、あたし。
早速使ったが、距離を取られてしまい、うまく出来ない…。
「(このまま、森の奥に行ってくれたらいいのだけど…。)」
その願いは虚しく、モンスターに届かない…。
仕方ないので、キャロイルカを使った。
モンスターは、焼かれてしまい、跡形もなくなった。
助けた男性は、炎舞様が連絡してくれた、迷いの森の番人に引き取られていった。
「あの場面でよく、魔法出せたね。
凄いよ!
で、ロケットランチャーなんだけど…。
これももらったのかな…?」
「あれ、言いませんでしたっけ?」
「言われた覚えないけど…。
出てきたときは、かなり驚いたよ。」
「すみません…。
戦うことしか考えてなくて…。」
「いや、いいんだよ。
なるほど…。
でも、モンスターに対しての態度は良かったよ。
弱いとこ見せたら、そこを突いてくるからね。」
そうこうしている間に、中央の国に着いた。
モカがいつものように迎えにきてくれた。
「火の国の国王様は、いつものお部屋へ。」
「ん。」
「火の国の王女様は、こちらへ。
前回とは異なるお部屋ですので、王女様が集まり次第、ご案内させていただきます。」
「分かったわ。」
「水の国の国王様は、いつものお部屋へ。
水の国の王女様は、火の国の王女様と、一緒にいてください。」
「分かったわ。」
モカはどんどん案内を済ませていく。
「王女様。
お揃いですか?」
王女全員で返事した。
「良かった。
王女様。
今回からは、こちらのお部屋を控え室に、お使いください。」
モカに案内されて入った部屋は、舞踏会でもあるのですか?ってくらい広くて、ゴージャスだった。
「では、失礼致します。」
モカは、案内が終わると下がった。
あたし達は、部屋の探索に出た。
「すごく広いね…。
舞踏会会場かなぁ?
ヒロ、どう思う?」
「マリアの言う通りでしょ。
こんなに広いんだもん。」
「下手したら、選別会場よりも大きいかも…。
モカに聞いたら、何の部屋か分かるんじゃない?
マリアちゃん、仲良さげだし、聞いてみてよ。」
「あ…あたしぃ?」
みんなの(ユカ除く)視線に耐えれず、聞きに行った。
「あ、モカ。」
「これは、火の国の王女様。
どうされました?」
「今回の部屋なんだけど…。」
「お気に召しませんでしたか?」
「いや、素敵なお部屋で満足よ。
ただ、普段何に使われてる部屋なのかなって…。」
「あーあ、そのことですか。
後に分かることなのですが、あそこで定期的に、舞踏会を開いてるんですよ。
各国の皆さんと貴族を集めて。」
「そうだったのね。」
「最近まで、結婚ラッシュだったので、使えませんでしたが、結婚式も終わったので、これからは使うと思いますよ。
貴族との交流は、大切ですから。」
「なるほどね。
分かった。
みんなに伝えておくね。」
「はい。」
モカと離れ、みんなの待つ部屋に戻ってきた。
「で、どうだったの?」
好奇心旺盛なヒロが聞いてきた。
「この部屋は、舞踏会用だって。
貴族達とあたし達とで、交流を深める会らしいわ。」
「そうなんですのね。」
「みんなさ…。
どうやって、貴族の名前覚えた…?
ワタシ、全然覚えれなくて…。」
「私も…。」
「わたくしは、少しだけ…。」
「あたしは、子どもの名前だけ覚えた。」
「すごっっ!!
どうやったの?!」
「ただ、選別会場に行くときに割り込んできたから、スリーヴァーを小さくしてあげたのと、選別中にリトラが来たときに、抱っこさせてって群がってきた子達だったから、すぐに覚えれたの。」
「それって、迷惑だったから、覚えれたってこと?」
「そう言うこと!」
「なんだぁ!
初めてじゃなかったのね。
ずるいわ、マリアちゃん。」
「でも、親は初めてだから、覚えるの大変だよ…。」
「聞きなれない名前ばかりですものね。」
「そうなのよ。
もっと親しみやすい名前がよかったわ。
アカギとか。」
「ヒロ、それいいかも!
改名させるのよ。」
「マリアちゃん、それは無理よ…。」
「やっぱり?
地道に覚えていくしかないわね。」
「ユカさん。
ユカさんは、貴族のこと覚えられたんですの?」
「いいえ。
まだよ。」
「そ…そうですの…。」
あたしたちの輪に入ろうとしない、ユカ。
そんなユカを、あたしたちは心配していた。
どんなに、悪口を言われようが、返答が無かろうが、関わろうとしないのも、全て受け流し、心配の方が勝ったから。
それでも、ユカには響かない…。
帰りの馬車の中で、あたしは炎舞様に話した。
「うーん…。
マリアの言葉は、ユカちゃんには届かないよ。
ユカちゃんの頭の中は、マリアに勝つことしか無いから。
それを仲良くなんて出来ないよ。
諦めることだね。
あー…。
それと、ユカちゃん、風の国でもワガママ言いまくってて、風雅がギブしようとしてるんだよね。
でも、光成のとこももどれないし、このままだと、王女の称号取られるかも。」
「王女の称号を取られる?
誰にですか?」
「モカだよ。」
「そうなったら、どうなるんですか?」
「国民になる。
風雅のとこでも、光成のとこでも、どこでもいいけど、国民になることになってる。」
「そんな…。」
「そうなる前に、ユカちゃんを止めないと。」
「そうですね。」
重い空気のまま、お城に着いた。
どの王女も、国王様から同じことを聞かされたのであろう、暗く俯いている…。
そこを堂々と歩く、ユカ。
ワガママもやめる気ゼロ…。
国民になるなんて、思ってもいない様子…。
それをみて、あたし達は、頭を抱えた…。
あたしは、ユカ以外の王女を、あたしの部屋に呼んだ。
「みんな、国王様から聞いてると思うけど、ユカのこと…。」
「ワタシ、聞いたわ。
このままだと、王女の称号をなくして、国民になるって。」
「私も。」
「わたくしもです。」
「どうにか、あのワガママを治さなくちゃ…。
マリアちゃん。
ユカちゃんに、敵対心剥き出しにされてるでしょ?
何かいい案ない?」
「うーん…。
魔力の差って、どうなのか分からないけど、埋まるような差じゃないし…。
ドラゴンだって劣るだろうし…。」
「マリアさん、赤ドラゴンのメスでしたわよね?」
「そう。」
「魔力ゼロが、国王に他向かっていくようなもんじゃない…。」
「そうよ。
ミカの言う通りだわ。
マリア、なんとか出来ないの?」
「あれだけの魔力の違いを見せてもダメなんだもん。
お手上げよ…。」
「確かにそうよね…。
マリアちゃんの魔法を見たら、自分の力量と全然違うって、気づかないのかな?」
「気付くような方が、マリアさんに挑むなんてことしないと思いますわよ。」
「だよね…。
マリア、どうするの?」
「1回国民にしてみようか?」
「え?
マリアちゃん本気?」
「最後の手段は、それしかないわね…。」
「ヒロちゃん。」
「確かに…。
これまでも、散々なワガママっぷりでしたものね。
国民にしてみましょう。」
「ホントの国民って感じじゃなく、国民の生活の苦しさを3日くらい体験してもらうの。
これ、どう?」
「流石、マリアさん!
いい作戦ですわ。」
「うん!
これで行ってみよう。」
「ドキュメンタリーな感じ?」
「そうそう。
王女が一日国民になったらをやってみた!みたいなので。」
「それなら安心ね。」
「ユカに話しに行こうか。」
「そうね。
早い方がいいし。」
「ワタシも行く!」
「わたくしも。」
全員で、ユカの部屋に向かった。
「ユカちゃん、部屋に居る?」
「なに?
ミカさん。」
「みんなで来てるんだけど、入っていい?」
「いいけど?」
「じゃあ、入るね。」
あたし達は、一斉に部屋に入り、ユカに叫んだ。
「王女が一日国民になってみたぁっ!!」
「は?
何これ?」
「そのまんまなんだけど…。」
「わたしが国民になるの?!
冗談でしょ?!」
「3日間限定で。」
「国民の声を聞いてこそ王女よ。
ユカちゃんなってみようよ。」
「そうですわ。」
「ユカ、断るなんてことないよね?
ユカから始まりの企画なんだから。」
「そうよ。
ユカならいける!!」
果たして、ユカの答えは…。
「いいわよ。
やってやろうじゃないの!」
「国とどこに行くかは、あたし達で決めるから。」
「分かったわ。」
あたし達は、部屋を出て小さくガッツポーズした。
そこに、李衣様と炎舞様が来た。
「ああ、ミカ。
こんなとこで、何してるんです?」
「マリアも。」
あたしとミカは誤魔化した。
そして、そそくさと逃げた。
ランチタイムになり、炎舞様がショウタを連れて来た。
「マリア、行くよぉ。」
「はーい。」
みんなの席は、ずっと、自分の国王様の隣なのに、全然話そうとしない…。
炎舞様とあたしは、相変わらず、楽しくおしゃべり。
「そう言えば、会議終わるの早かったですね。
馬車で帰ってこれる時間でしたし。」
「そう。
会議しようにも、ぼくの国に集まってるから、そのことを話してて、すぐ終わったんだ。」
「そうだったんですね。」
「うん。
で?
マリア達は何してたの?」
「ドキュメンタリーっぽく、国民になっちゃった!をやってみようって話しで、ユカを3日間国民にしてみることにしたんです。
ユカも乗り気でOK出してくれて…。」
「なるほど…。
国民がどれほど大変かを経験させるんだね?」
「そうなんです。
そうすれば、ワガママも治るかと…。」
「いいじゃん。
その考え。
何かあったら、すぐに助けれるように、こっちも準備しておくし。」
「よかったぁ…。
反対されるかと思いました。」
「しないよ。
ユカって子は、本当に、そう言うのを体験させた方がいい。
いつからさせるの?」
「明日からです。」
「じゃあ、こっちの準備も急ピッチで済ませるね。」
「はい…。
(準備…?)」
「準備」と言う言葉に、?(はてな)が飛んだけど、後にどう言うことか分かった。
あたし達は、ユカをどの国のどの街に行かせるか悩んだ。
「ワタシ、以前いたんだから、光成様のとこはどうかと思うんだけど?」
「いきなりの貧困生活?!
富裕層じゃ何もならないしね…。」
「危険でしょ…。
だって、ユカのワガママが原因で、離婚されたようなのもよ?
いきなりは無理だって。」
「じゃあ、マリアはどこがいいと思ってるの?」
「あたしは、水の国のシルバーブレットとかどうかな?って…。」
「あんな平和な街じゃ、国民の厳しさ分からないわよ。」
「じゃあどこにする?」
「やっぱ、光の国がいいんじゃない?
貧富の差が分かって。」
「うーん…。
厳し過ぎない?」
「マリアちゃんは、優しすぎるよ。
光の国にしよう。」
「村だけど、ペウ・シモネは?
さほど、貧富の差がるとは思えないし…。」
「ヒロちゃんの意見に賛成!」
「わたくしも賛成ですわ。」
「下見とかどうするの?
いきなり、ここに来ました!じゃ、ダメでしょ。」
「じゃあ、今から見に行ってみようよ。
国王様達に頼んで。」
全員が賛成し、各々の国王様に頼んだ。
国王様達は、王女をドラゴンに乗せ、ペウ・シモネに向かった。
ペウ・シモネは、そこまで、貧富の差には、困ってなかった。
それでも、貧困層は存在するので、ユカをここに住まわせることにした。
炎舞様達は、この村の果てに拠点地を作った。
いつでも、ユカを助けに行けるように。
準備は出来た。
後は、ユカが来るだけ。
ユカは堂々と現れた。
炎舞様達は、交代で、ユカのことを見守ることに。
「1日のお金は、1万マネ。
これで生活してみて。」
竜座様が、ユカにお金を渡した。
ユカは早速、買い物に出かけた。
でも、激安スーパーですら、カレー5袋入りが3500マネ…。
1万マネすぐに使ってしまった。
「あの1万マネって、家賃、光熱費、水道代入ってじゃなかったか?」
「竜座の言う通りだ。
全て入れての1万マネだ。」
「光熱費とか払えるのか?」
「私は知らん。」
光成は、冷たい目で、ユカの仮住まいの方を見た。
何とか、3日間国民の生活をしてみた、ユカ。
ただ、お金は足りず、風雅様から援助してもらっていた。
「ユカ、どうだった?」
「どうって?」
「国民になってみて。」
「大したことなかったわ。」
「それはそうよね。
足りなかったら、風雅様に助けてもらっていたんだもん。」
「それが?
悪いの?」
「悪いでしょ。
国民は、その補填が出来ないのよ?」
「わたしには関係ないわ。」
あたしを含めた王女達は、呆れた…。
「何をしても無理なようね…。
ユカ、ワガママも大概にしないと捨てられるわよ。」
「はいはい。
覚えておきます。」
「ユカっ!」
「マリア、もう止めたら?
何言っても無理よ。」
「ヒロ…。」
あたしは、何も言えなくなった…。
そのまま、ユカ達を連れて、お城に連れて帰った。
「炎舞様、ユカはどうなるんでしょうか?」
「今のとこは、風雅が我慢してるから、変わらないよ。」
「そうですか…。」
「安心しなよ。って言いたいけど、無理だよね。
友達のことだから…。」
「はい…。」
「うーん…。
王女としての自覚、マリアで学べばいいけど…。」
「あたしは、自分自身で、王女としてどうか分からないので、なんとも言えませんが…。」
「マリアは凄いよ。
国民からも支持されてるよ。
自信持って。」
「ありがとうございます。」
「まぁ、ユカちゃんのことは、ユカちゃんにしか、出来ないことだから。
心配してると、倒れるよ。」
「はい…。」
あたしは、ユカのことが心配で中々寝付けなかった…。