彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)








「凛君が、凛君が、誘拐されて、ここに連れて来られたんです!!」
「そうなんだよ!!こんなに広い場所、手分けしなきゃ凛先輩見つけらんねぇーよ!急がねぇと、凛先輩があぶねぇ目に絶対合う!!力貸してくれよ、真田瑞希さん!!」
「・・・。」








私達の訴えに、何故かあからさまに、不愉快そうな表情をする凛君のお兄さん。










「さ、真田さん?」
「聞いてんのかよ、真田瑞希さんよ!!」


「俺は愛人の子じゃねぇ。」


「「えっ!?」」


「よーく、見ろ。タッパが奴よりあるだろうーが。」


「た、たっぱ??」
「あっ!?言われてみれば、いつもより身長が高けぇ!!?髪形も違う!!?」


(あ・・・『たっぱ』って、身長って意味だったのね?)

ヤンキー用語なのかしら?

(待って、待って!今はそれどころじゃないわ!)

「た、確かに・・・いつもの真田さんより背が高いです・・・!」

だけど、この顔のつくりは真田瑞希さん。


「どうしたんだよ!!?急成長したのか!?」
「ボケ。人違いだ。」


「「人違い!?」」

(つまり、そっくりさん!?)










思わず、神楽坂君と顔を見合わせれば、真田さんのそっくりさんは言った。










「凛道蓮は、ここにさらわれてきてんのか?」
「あ・・・そ、そうです!だから私達、助けたくて尾行をして、ここまで来て――――――!」
「サツには通報したか?」
「電波妨害されてて、呼び出せないんだよ!!2号さんのスマホだけは、ポリとつながったままだけど、雑音しかしねぇーんだよ!!」
「ほお~・・・面白れぇマネしてくれるじゃねぇか・・・。」










目を細めながら言う真田瑞希さんのそっくりさん。
そして、スマホを取り出すと、画面を私達に見せる。
その上で、スピーカーボタンをタッチして、110と打ち込んだ。








「あ!?あの、待って下さい!さっきここについてからも警察にかけたのですが、つながらなかったので――――――――」
〈もしもし。事件ですか?事故ですか?〉
「「ええ!?」」
(つながった!!?)








真田瑞希さんのそっくりさんのスマホが、警察に通じた。









< 502 / 854 >

この作品をシェア

pagetop