彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)
「お、落ち着いて下さい、神楽坂君!」
「落ち着いてられるかよ!こうしてる間にも、凛先輩に危険が迫ってんだぞ!?お前凛先輩の彼女だろう!?心配じゃねぇのかよ!?」
「心配です!だからこそ、冷静でいなくちゃいけません!!」
「っ!?そーかよ・・・・・!」
私の言葉に、すねた顔で背を向ける神楽坂君。
その様子にあきれつつも、自分のスマホに耳を当てる。
〈ザザッ――――ザザザ―――ザ――――――――〉
(・・・・・・やっぱり、通話できる状態じゃない)
立地環境からして、Wi-Fiも普通に飛んでいるはずの場所。
それなのに、電話だけ使えないって、おかしい。
自分のスマホを抱え、神楽坂君のスマホから、再び110番をする。
〈ザ―――――ザザ、ザ――――――〉
(・・・・・こっちも、通じない・・・・・)
「ダメかよ?」
「え?」
そう聞いてきたのは神楽坂君。
両手をポケットに突っ込み、私をじっと見つめていた。
だから私も神楽坂君のスマホを差し出しながら、ありのままに伝えた。
「はい・・・私のスマホはかろうじてつながってますが、神楽坂君のスマホからかけることが出来ません。」
「チッ!修羅場の予感しかしねぇーよ!」
そう言いながら、私が差し出した自分のスマホを受け取る神楽坂君。
「凛先輩の女を巻き込むのは気に入らねぇが、バラけて探すのはあぶねぇから一緒に来い!」
「はい、一緒に凛君を探しましょう!」
「誰を探すって?」
そう問われたのは、私達の意見が一致した時だった。
(え!?誰!?)
「なんだテ・・・あ!!?」
声がした方を見れば、神楽坂君の言葉が途切れる。
そんな神楽坂君を気にすることなく、声を発した人は言った。
「テメーらこそ、ここで何してる?」
「真田さん!?」
「真田瑞希!?」
いたのは、凛君のお兄さんである真田瑞希さん。
「真田さん!!」
力を貸してもらわなきゃ!
「助けて!!」
「あん?」
「助けて下さい!凛君を助けるのに、協力して下さい!真田さん!!」
駆け寄りながら訴える。