彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)





「日直の仕事を終えて帰ろうとしたら、聞き覚えのあるバイクの音がして・・・外を見たら凛君と五十嵐君がいたから、挨拶をしようと思って裏門に向かったんです。でも、間に合わなくて・・・凛君は知らない人のバイクで行っちゃって・・・。」
「そこに俺が通りかかって、凛さんの彼女だと思って、凛さんの居場所知ってるかと思って声かけたんすよ!」
「待って!涼子ちゃんはともかく、雷太!」
「押忍!なんすか!?」
「雷太の学校、東山高校から遠いよね?なんでいたの?」
「え!?いや、その~凛先輩が、東山高校に登校してるって聞いたんで~会いたくなって会いに来たと言いますか~」
「登校はしてないよ。」
「え!?でも、東山高の制服着てるじゃないっすか?」
「これはコスプレ。」
「はあ!?じゃあ、やっぱり第一中学の中坊なんすか!?」
「なんで若返らせるのさ!?高校生だよ!!」
「お、落ち着いて、凛君!神楽坂君!」
「あ、大きい声出してごめんね、涼子ちゃん!」
「ううん、私は平気です。あの、話を戻しますけど―――――凛君が誘拐されるのを見て、神楽坂君の原付に乗せてもらって、110番しながら追いかけたんです。」
「追跡してくれたの!?」
「当然っすよ!!彼女2号さんなんて、警察に実況しながら通報したんすよ!すごくないっすか!?」
「そうだったんだ。ありがとう、涼子ちゃん!」
「い、いえ!お礼を言って頂くほどお役には立ててないですよ!途中で何故か、スマホの電波が悪くなって、通報電話がきれちゃいましたから・・・。」
「つーか、凛先輩!!俺も頑張ったんすけど!?評価ナシっすか!?」
「あ、ごめんごめん。ありがとう、雷太。」
「へへへっ!どういたしましてです!!」
「おう、話は終わったか?」





そんな私達声をかけて下さったのが、凛君救出の最大の功労者である檜扇柊護さん。
相手が何者か認識するなり、目を輝かせながら凛君はその名を呼ぶ。






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