彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)
「ダメだよ、涼子ちゃん!涼子ちゃんに法律を破ることはさせられない!」
(え?)
リョウコチャンニホウリツヲヤブルコトハサセラレナイ?
(何それ・・・・?)
理解した瞬間、私は怒鳴っていた。
「私だけ良い子でいろって言うのですか!!?」
いくら私が地味な生徒だからって!!
ヤンキーじゃないからって!!
(そんなの差別よ!!)
凛君には感謝してる!!
私を大切にしてくれてること、ずごく伝わってる!!
申し訳ないくらい、大事にしてくれている。
だけど――――――――――!!
「この場にいるのが、高千穂さんだったら、ますみさんだったら、瑠華さんだったら、同じ対応しますか?3人乗りをさせませんか?」
(ここにいるのが、私以外の凛道ガールだったら!!?彼は、凛君は、同じ対応をするの!!?)
「それは――――――――」
「私だけ、差別しないで下さい、凛君!!」
「さ・・・!?差別なんてつもりじゃないんだよ!!君は僕の良心だから、大事に―――――――!!」
「私が差別と感じたら、差別です!!」
「涼子ちゃん・・・。」
「お願い・・・付き添わせて下さい・・・!!」
凛君の服の裾を握り締め、懇願する。
(お願い、平等に扱って。)
神様・・・私は凛道蓮君に良心と・・・特別扱いされて、戸惑ったけど、良い気分になっていたことを認めます。
もっと謙虚にします。
凛君と不釣り合いだと、自覚してます。
(だからどうか、凛君のこと、最後まで見届けさせてください―――――――!!)
「・・・連絡するよ。」
「え?」
「は?」
凛君の言葉に意味が分からず、思わず首をかしげれば、凛君はスマホを取り出す。
そして、どこかへと電話し始めたのだった。