彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)
「だから――――――――今回の論文を1人で作ったって、あり得ないと思うのですよね。6歳の少年が1人で2年かけて研究したと、信用ができません。」
「弟宮家は一線を越えた、ってことは確実だ。さすがに最後の文章はコピーしないで発表したが・・・あのズルは治らねぇ。ズルを日本の象徴の天皇にはできねぇ。日本国民として認めねぇ。」
「なんで盗作のプリンスは・・・自分の好きなトンボのことまで、盗作したのですかね?」
「言っただろう、凛。天皇に即位させるための悪あがきだって。さらに言えば、東大に裏口入学させるためのズル工作の1つだからだ。」
「え!?東大志望なんですか、盗作のプリンスは!?」
「いや、母親が、皇后様に学歴コンプレックスがあるから、マウントを取るために息子を東大に入れたいんだ。それには、同じ感情を持ってる上皇妃も賛成してる。」
「最低な義理の母子ですね・・・!!虫好きの息子の意見は無視ですか?」
「自分のステータスのために作った息子、長男嫁をいじめるために作るのを命じた孫なんだから、ご機嫌取りの意味で、トンボの学術論文を出させたんだろうぜ。」
「僕、弟宮の妻は、性格と教養と容姿と人望で、皇后さまに勝てないから、逆恨みで嫉妬して、皇后様をいじめる上皇妃の手先をしていると推理してるのですが・・・?」
「正解だ、凛。大正解。皇太子時代の今上陛下は、妻をいじめてる奴の名前を出さなかったが、俺は上皇夫婦と弟宮夫婦と、そいつらのパシリをしていた妹の5人が、今の皇后様をいじめ続けている犯人だと・・・俺は思ってる。」
「え!?大人しそうな、あの妹さんもいじめをしてたのですか!?」
「これは裏が取れてねぇ話だが・・・・・あの妹、父親は上皇だが、母親は上皇妃じゃないらしいんだよ。」
「えっ!?」
「上皇は、上皇妃が不倫の子供を産むのを許す代わりに、自分も他の女と浮気するってことで、女官との間に作っちまったガキらしいんだわ。」
「はああ!!?」
「今上陛下の妹の婚期が遅かったのは、上皇妃が邪魔をしていたのと、上皇妃の評判が上流階級で悪すぎて身内になりたくなくて見合いを断られ続けたのと、妹自身の性格も関係してる。いじめをする女を、息子の嫁にしたい親が、どこの世界にいる?」
「いません!!」
「そういうことだ。」
謎が解けた。
どうして、文武両道の優秀な天皇陛下の婚期が遅く、我がままに育て上げられた次男が早く結婚できたか。