腹黒御曹司の一途な求婚
「なに?!なんで、蒼士さんがこの女を庇うの?!まさかこの人と付き合ってるの?!!信じられない!!」
「そんなわけないだろ……」
いや……私たち、今この場で初めて顔を合わせたんですけども……(正確には、初めてじゃないけど……)。
すさまじく突飛な暴論に弁解の言葉も出ない。
久高くんも呆れ顔で額を押さえている。
苦労が絶えない様子がこの短時間でも伝わってきて、私は他人事のように心の中で大変だなぁなんて同情してしまう。
だが女性の怒りは止まることを知らずさらにヒートアップしていく。ビシッと人差し指を向けられ、私は脊髄反射のようにピンと背筋を伸ばした。
「蒼士さん!!私たちは婚約しているのよ?!それなのに他の女性に目を向けるだなんて、ひどい裏切りだわ!!」
「……言っておきますけど、まだ婚約は成立していませんし、あなたの指摘は全て言いがかりだ。ついでに申し上げると、俺が今日あなたを呼び出したのは他でもない、この縁談を破談にするためです」
「なっ……ど、どうして?!なんでそんなことを……!」
「どうして?自分の胸に手を当てて考えてみたらどうですか?少なくとも俺は、些細なことで誰彼構わずヒステリーを起こす血の気の多い女性と生涯を共にする気は起きない」
冷たく言い放つ久高くんを前に、自称婚約者の女性は唇を戦慄かせた。
私は完全に蚊帳の外だ。しかし修羅場の現場が店である以上、立ち去るわけにはいかない。
他人任せはよくないが、いかんせん出る幕がないので、棒立ちになって気配を消してこの騒動の鎮火をひたすら祈っていた――のだけれども、突如自称婚約者の女性が射殺さんばかりの鋭い眼光をこちらへ向けてきた。
不意打ちで敵意を向けられ、私は思わず身を硬くする。
普段は可愛らしい顔なのだと思うけれど、私を睨みつける彼女の面立ちは赫怒で煮えたぎっている。ちょっと怖い。
彼女の身につけているワンピースは見るからに高価そうで、恐らくいいところのお嬢様だろうに。
「そんなわけないだろ……」
いや……私たち、今この場で初めて顔を合わせたんですけども……(正確には、初めてじゃないけど……)。
すさまじく突飛な暴論に弁解の言葉も出ない。
久高くんも呆れ顔で額を押さえている。
苦労が絶えない様子がこの短時間でも伝わってきて、私は他人事のように心の中で大変だなぁなんて同情してしまう。
だが女性の怒りは止まることを知らずさらにヒートアップしていく。ビシッと人差し指を向けられ、私は脊髄反射のようにピンと背筋を伸ばした。
「蒼士さん!!私たちは婚約しているのよ?!それなのに他の女性に目を向けるだなんて、ひどい裏切りだわ!!」
「……言っておきますけど、まだ婚約は成立していませんし、あなたの指摘は全て言いがかりだ。ついでに申し上げると、俺が今日あなたを呼び出したのは他でもない、この縁談を破談にするためです」
「なっ……ど、どうして?!なんでそんなことを……!」
「どうして?自分の胸に手を当てて考えてみたらどうですか?少なくとも俺は、些細なことで誰彼構わずヒステリーを起こす血の気の多い女性と生涯を共にする気は起きない」
冷たく言い放つ久高くんを前に、自称婚約者の女性は唇を戦慄かせた。
私は完全に蚊帳の外だ。しかし修羅場の現場が店である以上、立ち去るわけにはいかない。
他人任せはよくないが、いかんせん出る幕がないので、棒立ちになって気配を消してこの騒動の鎮火をひたすら祈っていた――のだけれども、突如自称婚約者の女性が射殺さんばかりの鋭い眼光をこちらへ向けてきた。
不意打ちで敵意を向けられ、私は思わず身を硬くする。
普段は可愛らしい顔なのだと思うけれど、私を睨みつける彼女の面立ちは赫怒で煮えたぎっている。ちょっと怖い。
彼女の身につけているワンピースは見るからに高価そうで、恐らくいいところのお嬢様だろうに。