拗らせ女の同期への秘めたる一途な想い
***

「明日香、私お見合いする」

「は?マジで言ってる?」

「マジ。お母さんが見合いしろって言って来週の土曜はどうかって聞いてきてる。ちなみに、拒否権はなし」

「あちゃー、すみれのお母さん容赦ないね」

「彼氏がいれば断れたんだけどね」

週が明けた月曜、ランチに誘った同期の明日香に愚痴る。
ショートボブの目鼻立ちの整った顔の明日香、今日はお洒落な黒縁メガネをかけている。

「彼氏……ね」

明日香には私が巧とセフレ関係にあることを伝えている。
注文したオムライスを食べていたら、目の前の明日香がじっと見つめてきた。

「榎本のことはいいの?」

スプーンでオムライスにかかっていたデミグラスソースをつつきながら口を開く。
 
「いいもなにもセフレだもん」

「あのさ、本当にセフレ?」

「どういうこと?」

明日香の言葉に首を傾げる。

「すみれと榎本って付き合ってるとしか思えないんだけど」

「は?どこをどう見て?」

思わず変な声が出た。
私と巧が付き合っているとしか思えないってどういうことだろう。
 
「だって、ほぼ毎週のように会ってるんでしょ」

「うん」

「で、エッチして次の日も一緒に過ごしているんでしょ?」

「うん」
 
金曜に巧の家に泊まって、次の日は映画を観に行ったり買い物に出かけたりすることもある。
お互いに予定があって、会わない日もあるけど。

「それで付き合ってないって噓でしょ」

明日香は呆れたように言うけど、私と巧は付き合っていない。
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