拗らせ女の同期への秘めたる一途な想い
「……もしもし」
『もしもし、すみれ?あんた、お見合いの日は来週の土曜でいいんでしょ?』
「それはちょっと待って」
『どうしてよ。先方に連絡しないといけないんだから。すみれの都合を教えてもらわないと困るんだけど』
「こっちも今、お見合いの話なんてされたら困るから」
思わずそう叫んでいた。
「見合い?」
巧の低い声が耳に届く。
慌てて隣を見ると、不愉快そうにムッとした表情の巧と目が合った。
まずい、とりあえず電話を終わらせよう。
「お母さん、用事があるからまたかける。じゃあね」
『ちょっと待ちなさっ……』
話を遮って電話を切ると、電源を落とした。
スマホをバッグの中にしまっていたら、隣からの視線が突き刺さる。
「すみれ、見合いってなに?」
巧が怒っている気がする。
こんな巧は初めて見るかもしれない。
私はビクビクしながら口を開いた。
「お、お母さんが彼氏もいないし結婚の予定がない私に見合いの話を持ってきて」
「は?彼氏はいるだろ」
間髪入れずに言われた言葉に反論した。
「いないよ、彼氏なんて」
「ふざけんなよ、マジで」
巧が不機嫌丸出しで私を睨んだ。
なんで巧がそんなことを言うのか理解できなかった。
どこに私の彼氏がいるというんだろう。
もし、他に私の彼氏がいたとしたら、巧とセフレなんかになるわけない。