その指先で、僕を描いて。

その後、色々自己紹介を済ませ神木颯は先輩で3年生の美術部員ということが判明した。


「で、遥ちゃんはもちろん美術部に入るんだよね?」

「はい、一応その予定ではいますけど…」

「じゃあこれから一緒だね!」


そんな事を先輩は眩しいくらいの無邪気な笑顔で平然と言ってくるからドキッとしてしまう。

あくまで先輩は顔も綺麗なんだから、その笑顔がどれだけ罪なものかちゃんと理解して振りまいてほしいものだ。


初めての友達…?が部活の先輩で、こんなイケメンなんて私突然普通以上の生活になっちゃった?


なんてくだらないこと考えていると、お昼休憩が終わる10分前を知らせるチャイムが鳴った。


「あ、そろそろ行かなきゃですね。」

「そうだね…遥ちゃん今日はありがとうね!僕は基本美術室にいるからまた話そうね。」


高鳴る胸とは裏腹に「はい。」なんて素っ気ない返事をして私は美術室を先に出た。



顔が熱い。

あの優しい微笑みと笑顔と声が忘れられない。


もしかして?


そんなまさか。


そんなはず_____
< 5 / 7 >

この作品をシェア

pagetop