カラダもココロも甘く激しく溺愛してくる絶対的支配者様〜正しい恋の忘れ方〜
中間試験前日。

終礼の時間に悠太が居なかった。

私の隣の男子は悠太と仲がいい。
だから悠太がこの席に遊びにくることも多くてラッキーって思ってた。

「ねぇ、悠太は?」

教卓では委員長が明日のスケジュールを確認している。

コソッと聞いた私に、同じくらいのボリュームで男子は「知らない。須藤こそ知らねーの?」って言った。

首を振って、私は教卓に向き直った。

終礼中に悠太が戻ってくることは無かった。

モネの席は窓際だ。
窓から外を見下ろしている。

こうやって改めて見るとモネは本当に可愛くて、風でやわらかく揺れる白いカーテンがモネをより引き立たせる為の演出に見えてくる。

「モネ、悠太何してるか知らない?」

「アレ」

モネが窓の下を指差した。
この教室から見える真下は、一回目の七不思議調査隊の時に身を潜めていた芝生と花壇のところだ。

別棟の外壁にもたれるようにして悠太が立っている。
何かから隠れているようには見えなかった。
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