カラダもココロも甘く激しく溺愛してくる絶対的支配者様〜正しい恋の忘れ方〜
叶わない恋だって知りながらそばに居ることがどれだけ苦しかっただろう。

私は鈴城さんみたいに本郷先輩を守れるのかな。
自分はどうなってもいいって、彼の幸せだけを願えるのかな………って、なんでそんなこと考えてるんだろう?

私の本当の気持ちは何?

今、私は本郷先輩に触れたい。

触れて欲しい。

さっきからずっと、先輩が泣きそうな目をしてる時からずっと。

もう私が居るから大丈夫だって、なんにも考えずに先輩を抱き締めてあげられたら…。

その感情は恋?

同情?

今の自分の感情にどんな名前をつければいいのか分からない。

「でも先輩、容姿もそんなに変わったんですか?」

「幼さは無くなっただろ?さすがに」

「んー、それでも二年の時間ですよ?そんなに変わるかなぁ」

「あー…そうだ。俺、お前と本屋で会った日、眼帯してたわ」

本屋で先輩に会った日のことをもう一度よく思い出してみた。

眼帯?してたっけ?
だめだ。目の前に本人が居るから、もう残像ではよく思い出せない。

「ものもらいできただけなのにさ。母さんがえらく慌ててたよ」

「あはは。せっかく綺麗な顔ですもんね。あー、だからなんか顔の印象が違ったんですね」
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