カラダもココロも甘く激しく溺愛してくる絶対的支配者様〜正しい恋の忘れ方〜
「ほんっとに…奇跡みたいにお前もこの学園に入ってさ、しかも生徒会希望者の中に砂雪のデータ見つけて死ぬほど嬉しかった。また砂雪に見つけて欲しかった。なのにお前は忘れてるしさ…」

「あはは…すみません」

「もう忘れるなよ?」

本郷先輩が私を抱き締める。
もう何度目か分からないそのハグが妙にあったかい。

手は冷たいのに先輩って体温は高めなんだって思った。

夏服だから、ブレザーより体温が伝わりやすいからかな。

たったそれだけのことなのに私達の心臓が近くなった気がして、今までよりずっとドキドキするのはなんでだろう。

「先輩、私達生徒会員なのに二人してサボって、悪いことしてますよ」

「知らない」

おでこ、まぶた、鼻の先、ギリギリくちびるに触れない口角。

先輩がマシュマロに触れるみたいにそっとキスをしていく。

「お前さぁ、他の男とでもあんな声出すんだな?」

「聴いたんですか!?」

「聴こえたんだよ!故意には聴いてない!」

「ほんっとキモい!」

なんで今そういうこと言うかなぁ!

先輩との過去をやっと知って、先輩の苦しみを知って、もしかしたら好きかも…とか思ってたのに…。
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