カラダもココロも甘く激しく溺愛してくる絶対的支配者様〜正しい恋の忘れ方〜
そっぽを向いた私の顔を無理矢理自分のほうに向かせて、噛みつくようなキスをされた。

脳も体もぜんぶ、先輩の香りに支配される。

「ンッ…」

「キモい男にそんな目するんだ?」

「先輩がヤなことばっか言うから」

「ヤなことって?」

「嫌なこと思い出させないでください」

「じゃあ俺だけ見てて」

両手で私の頬を挟んでジッと見ながら「砂雪、目の前に居るんだよな」ってかすれた声で言う。

「もっとシテいい?」

「ゃだ」

「悪いけど、さすがにもうその言葉は聞けねぇわ」

「なんっ…で…」

「だってお前もう恋してないじゃん」

なんで先輩はそんな余裕そうなの?

深いキスを繰り返されて私は呼吸の仕方を忘れたみたいに苦しいのに。

先輩はこんなこと慣れっこなのかな。

そう思った瞬間に心臓の奥のほうがチクンってした気がした。

なんでだろう。
失恋したばっかりなのに。

私、都合よすぎるよ…。
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