カラダもココロも甘く激しく溺愛してくる絶対的支配者様〜正しい恋の忘れ方〜
「そっかぁ」

中村さんはスマホを操作しながら「あ、あった」って言いながら画面を私達にも見せてくれた。

対象者の顔と名前。
学年とクラス、プロフィールが書かれている。

「なんですか、コレ」

「全校生徒のデータベース」

「なんでそんな物」

「会長と副会長、私には共有されてるの。調査にも使えるし普段の素行も管理しなきゃだからね」

「へぇ。あの、中村さんってやっぱり来年は会長になるんですか?」

「どうかな。二年生からの生徒会員は生徒の投票で決まるしね」

「今、どれだけ貢献してるかとかは関係ないんですか?」

「どうだろうねぇ。でも私はさ、…長谷川さんも戸田さんもそうだと思うけど、カナデさんを信じてるから」

長谷川さんも中村さんの言葉に頷いた。

「どうして信じられるんですか?」

「言ったでしょ。私達のこと守ってくれるって」

「そんなの分かんないじゃないですか。来年には居なくなるんだし、自分に従順で居て欲しいだけで、関係なくなったら簡単に切り捨てちゃうかもしれないし…」

「今はまだそう思うよね。そのうち砂雪ちゃんもカナデさんを好きになれたらいいね」

「先輩達も本郷先輩のこと神様だって思ってるんですか?」

私の言葉に、中村さんも長谷川さんも顔を見合わせて言った。

「神様?何それ」

「笑わせないでよ。気づかれるでしょ」

二人は…ううん。
生徒会員の人達は人として本郷先輩を信じてるんだ。

あんなわけ分かんない人なのに。
先輩の庭から離れたら何されちゃうか分かんないじゃん…。
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