カラダもココロも甘く激しく溺愛してくる絶対的支配者様〜正しい恋の忘れ方〜
「サユちゃん、なんでそんなに生徒会に入りたいの?これから勉強だってめっちゃ大変になりそうなのに」

無事に入学して、一週間はレクリエーションや学年集会があって、それから生徒会立候補の話をされた。

二年生からは全校生徒の投票で決まるんだけど、一年生は先生達が会議をして決める。

中学生の頃の成績や内申点が決め手になるらしい。
募集要員は、たったの一名。

入試よりもずっとずっと狭き門だ。

早速申し込み用紙を貰いに職員室へと歩く私の後ろから、モネは文句を言いながらついてきた。

職員室は本郷 カナデへと続く切符を手にしようと、女子生徒で溢れていた。

「なんでモネはそんなに止めたいの」

「心配なんだよ!うちの生徒会の噂知ってるでしょ?ただでさえほら…こんなんなのに、その一人に選ばれちゃったらサユちゃんが何されるか…」

「だーいじょうぶだって!そんなに有名な生徒会なら逆に安心じゃない?わざわざ嫌がらせして王子様に嫌われるようなこと…」

「サユちゃんが思ってるよりも人間は陰湿なの!それに、その王子様がサユちゃんの味方だなんて限んないじゃん!」

「あはは、確かに。でも本当に大丈夫だって。部活も入る気はないし、勉強もちゃんと頑張るしさ。モネは心配しないで?」

ジトっとした目で私を見るモネは、お気に入りのおもちゃを取られた子どもみたいで可愛い。

ゆるく巻いたふわふわのショートカットをそっと撫でる。

それでもモネの機嫌は治らなかった。
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