俺様御曹司は逃がさない
もう、こんな奴と口も聞きたくない!!

あたしはギュッと口を閉ざした。

すると、あたしの顔を覗き込むように屈んできた九条。そして、ムギュッと頬を掴んでグニュグニュしてくる。


「一丁前に無視してんじゃねーよ」

「いひゃいっ、いひゃいって!!」


あたしは九条の手を振り払って立ち上がった。


「で?」

「『で?』じゃない!!力加減ってものを知らないわけ!?あんたは!!」

「加減してやってんだろ。ギャーギャー喚くなって~、ここ病院な?」

「事の発端はあんたでしょうが!!」


そんなやり取りをしていたら、ようやくエレベーターが下りてきて扉が開いた。


「はいはい、乗れよ」

「ちょっ……!?」


ドンッと押されて、よろけながらエレベーターにインしたあたし。

こいつ、マジでモテてる意味が分かんない!!こんな男のどこがいいわけ!?


「どーせ担当医に会いに来たんだろ?」

「分かってるなら聞くのやめてくれる?本当にストレスでハゲそう」

「ははっ。ハゲたらウィッグでも何でも買ってやるよ」

「そういう問題じゃねーよ」

「お前さぁ、そんなんだからモテないんだよー?もっと女らしくしないとさ~」

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