俺様御曹司は逃がさない
「うっさいわ!!ここまで悪化したのは紛れもなくあんたのせいだっつーの!!」

「人のせいにしないでくれる~?ほーんと見苦しいねえ、貧乏人って」


────── 誰かこいつを黙らせてください。


「……え?今なんと?」

「広範囲の傷に加えて傷口も深い……とても酷い状態でしたので、抜糸はまだ先かと。抜糸をしたとて、まだ介抱は必要ですよ?貴女は九条様のサーバントでしょう。尽くしなさい、マスターである九条様に。以上です」

「いや、2週間以上経ってますし……さすがにっ……」

「九条財閥……九条 柊弥様に傷跡ひとつ残すわけにはいきません。それをお分かりですか?貴女は」


担当医の目力というか気迫に押されて、コクコクと頷くしかなった。


「くれぐれもお忘れなきよう」

「は、はい……」
 

・・・・結局、あたしの夏季休暇は無いものとされそうです。


────── 夏季休暇真っ只中。


「おーーい、さっさと入って来いよ」

「ハイハイ」


あたしは未だに九条の世話をしている。そして、今から一番やりたくないことをしなければならない。

・・・・九条 柊弥の入浴タァァイムッ!!

これだけは霧島さんにやってもらって……と懇願したのに、呆気なく却下された。

本当に憂鬱でしかない。

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