俺様御曹司は逃がさない
でも、もうこの光景にも慣れたな……というより、感情を殺しに殺しまくって無の境地。

九条は平然と下半身にタオルのみ。

こいつの体を見てもドキッとか、何も思わなくなった……というか、殺しに殺しまくった感情が息を吹き返すことはないだろう。

今後、どんな男の裸を見ても何も思わないだろうなー。

あたしは着実に何かを失っていってる……女としての何かを。


「痒いところとかはー?」


九条の広い背中をタオルで擦って、優しいあたしは痒いところがないかと聞いてあげる。

にしても、本当にガタイがいいなー。どんだけ着痩せしてんのよ。


「あーー、なんか前がムズムズする。俺のご立派なっ……」

「あらそう。ちょんぎったら?」

「ちょっとした下ネタじゃ~ん。そうムキになんなよ、処女だからって~」


────── こいつ、いつか女に刺されて死ぬんじゃない?


あたしは九条の頭と背中を洗うだけ。当たり前だけど。あとは自分でやってもらってる。


「ハイ。終わったら呼んで」

「ったく、ノリが悪いね~」

「ハハ」


一旦浴室から出て、九条のお呼びがかかるのを待つ。

・・・・ああ、マジで何してるんだろう……あたし。

ま、給料15万プラスされてたから、あまり文句は言えないんだけどね……。

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