俺様御曹司は逃がさない
でも、稼いだとて支払いと貯金に回してるから、自分に使えるお金なんてないけど。


「はぁぁ。お父さんの借金さえなければ……」


そう。借金はない……はずと思っていたのに、まさかの借金を抱えていたお父さん。

ぶっちゃけ意外でも何でもないから、対して驚きもしなかったけどね。

お母さんがあんだけ働いてもお金が回らない理由が、ようやく浮き彫りになったな……としか思えなかった。

まあ、ギャンブルとかイケナイことで作った借金ではなくて、夢を追い続けた結果……出来てしまった借金と言いますか。

あたしがこのままサーバントとして働けば、全然返せる額ではあるし、これでお父さんはあたしに頭が上がらなくなるから、あまり強く責め立てるつもりはない。

あんな人でもあたしの父親だからね。


「七瀬~」

「ハイハイ」


浴室に入って、スタスタと歩きながらシャワーに手を掛けて、お湯を出した時だった。


「きゃっ!?」

「おまっ、あっぶねえな……」


床に付いてた石鹸で足が滑って、ものの見事に後ろへスッ転んだあたし。

それをキャッチしてくれたのはバスチェアに座っている九条だった。

シャワーからお湯が出て、びしょ濡れになりながら九条に後ろ抱きされている絵面の完成。

・・・・お互い濡れてて、九条は服を着ていないから、九条の温かい体温を直で感じる。

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