俺様御曹司は逃がさない
・・・・ダメだ。本っ当に分かってない。

何とも思ってないんだ、こいつは。

それもそうか、クズだもん。

女体なんて飽きるほど触れてるはず。

だから、あたしに触れることを1ミリも何も思ってないんだ。

なるほどね、なるほど。

あたしだけが意識しちゃってるみたいで、物凄く癪に障るわ。気に入らない、なんか負けたみたいで。


「ま、いいわ。そんなに塗りたいならどーぞ?」


あたしは日焼け止めを九条にポイッと投げた。


「ったく。“塗ってください”だろ」


あたしは九条に背を向けて、体にギュッと力を入れる。

そして、ピタッとあたしの背中に九条の手が触れた。

少しだけピクッと反応してしまうあたしの体。


「なに?」

「べっ、別に何でもないけど……」

「そ」


遠慮というものを知らないのか、ベタベタあたしに触れてくる九条。

なんていうか……手つきが……エロくない?気のせい?これが普通なの?


・・・・九条の触れた部分が全部火照ったみたいにアツい。


万が一、変な声が出ちゃわないように、口を両手でしっかり覆ってひたすら耐えた。


「……っ」

「お前、なに震えてんの?」

「……はぁっ、いやっ、あの……これは違くて」

「あ?なんだよ」

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