【短編】お向かいの双子くんは私のことがお気に入りらしい
ボソッと答えた彼が正座に座り直した。

黒い髪に覆われた頭が深く下がり、つむじが現れる。



「本当にごめん。あいつのこと支えてくれたのに。あんなひどいことを……」

「そんなっ、私のほうこそ、ちゃんと全部話さないといけなかったのに。ごめんね」



自分も頭を下げ、顔を上げるよう促す。

だけど、後悔が消えないのか、表情は強張ったままで……。



「でも……追い詰めて、怖い思いさせた」



途切れ途切れに紡ぐ言葉を順番に拾い、記憶を呼び起こす。

追い詰め……公園でのことかな?



「手首、大丈夫か? 痛くないか?」

「うんっ! なんともないよ!」



手首をくるくる回して無事だとアピール。
彼の顔から強張りがなくなり、胸を撫で下ろした。



「ごめんな。俺と会う時以外付けちゃダメなんて言ってないのに」

「ううん。でも、どうしてわかったの?」
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