だって、そう決めたのは私
「クリスマスは週末だからなぁ。次の日も仕事だし。深酒しないように気を付けないと」
「そうだよね。流石にカナちゃんは患者さん相手だし、持ち越せないよね。あ、ならさ。クリスマスはノンアルにしようか。お仕事が終わったら、盛大に飲むことにして」
「うぅん……」
「あ、淋しい? じゃあ、乾杯だけ缶ビールとか開けて、あとはノンアルならどう?」
「それなら、いいかも。最近、お酒減らさないとなとは思ってたし。宏海さえ良ければ」
「うん、そうしよう。お互い体に気を付けないといけないもんね」
そうよねぇ、なんて答え方が、ババアになったなと思う。私は年齢に抵抗するつもりもないし、おばさんである自分を受け入れている。でも、ようやく再会できたカナタに、嫌だと思われたくない。お酒はほどほどにね、なんて言うような優しい子。あの子ががっかりするような母には、絶対になりたくはないのだ。
「あ……」
「ん? 大丈夫?」
「う、うん」
固まってしまったのは、カナタからの受信通知が目に入ったからだ。あぁどうしよう。こんなものをクリスマスプレゼントに強請ってくるなんて。悔しくて、嬉しくて、泣いてしまいそうになる。どうしたら良いものか。最善を考える。クリスマスまでもう日がない。どうするか。どうするか。短時間で、頭はフル回転する。あぁ、背に腹は代えられない。目の前にいる彼に、勢いよく頭を下げてから言った。
「ねぇ、宏海。私に玉子焼きの作り方、教えてくれない?」
「そうだよね。流石にカナちゃんは患者さん相手だし、持ち越せないよね。あ、ならさ。クリスマスはノンアルにしようか。お仕事が終わったら、盛大に飲むことにして」
「うぅん……」
「あ、淋しい? じゃあ、乾杯だけ缶ビールとか開けて、あとはノンアルならどう?」
「それなら、いいかも。最近、お酒減らさないとなとは思ってたし。宏海さえ良ければ」
「うん、そうしよう。お互い体に気を付けないといけないもんね」
そうよねぇ、なんて答え方が、ババアになったなと思う。私は年齢に抵抗するつもりもないし、おばさんである自分を受け入れている。でも、ようやく再会できたカナタに、嫌だと思われたくない。お酒はほどほどにね、なんて言うような優しい子。あの子ががっかりするような母には、絶対になりたくはないのだ。
「あ……」
「ん? 大丈夫?」
「う、うん」
固まってしまったのは、カナタからの受信通知が目に入ったからだ。あぁどうしよう。こんなものをクリスマスプレゼントに強請ってくるなんて。悔しくて、嬉しくて、泣いてしまいそうになる。どうしたら良いものか。最善を考える。クリスマスまでもう日がない。どうするか。どうするか。短時間で、頭はフル回転する。あぁ、背に腹は代えられない。目の前にいる彼に、勢いよく頭を下げてから言った。
「ねぇ、宏海。私に玉子焼きの作り方、教えてくれない?」