だって、そう決めたのは私
「ママ……なんだけど」
「うん」
「その……再婚? いや、結婚? するのかな」
「結婚ねぇ。どうだろう。ママは何か言ってるの?」
「特別には。ただ、最近仲良くしてる人がいるんだって教えてくれた。ちょっと若いんだけれどねって」
「そっか。茉莉花はそれを聞いて、嫌じゃなかった?」
どう思ったか、と問うのは簡単。大人が焦って、答えを急かしてはいけない。今大切なのは彼女の本心だ。もしも、少しでも嫌だと思う感情があるのなら、それを一人で抱えないで欲しい。
「うん。嫌ではなかった」
「そっか」
「だってね、ママ。すごく……幸せそうに笑ってたから。その人の話をする時に」
「へぇ。そうなんだ」
「うん。だからね。もしかしたら……結婚するのかな。したいのかなって」
「なるほど」
五十嵐くんは、茉莉花が嫌がったら絶対に結婚はしない。暁子を諦めることもないだろうけれど、きちんと茉莉花には認めてもらいたいと思うだろう。彼はそういう男だ。だけれども、彼女がまだ短い人生の中で、どんな大人の男を見てきたか分からない。それらに引っ張られて、ママの相手がイメージが悪くなることだってある。私が言ってあげられるのは、彼は不誠実な人間ではないということ、くらいだろうか。
「うん」
「その……再婚? いや、結婚? するのかな」
「結婚ねぇ。どうだろう。ママは何か言ってるの?」
「特別には。ただ、最近仲良くしてる人がいるんだって教えてくれた。ちょっと若いんだけれどねって」
「そっか。茉莉花はそれを聞いて、嫌じゃなかった?」
どう思ったか、と問うのは簡単。大人が焦って、答えを急かしてはいけない。今大切なのは彼女の本心だ。もしも、少しでも嫌だと思う感情があるのなら、それを一人で抱えないで欲しい。
「うん。嫌ではなかった」
「そっか」
「だってね、ママ。すごく……幸せそうに笑ってたから。その人の話をする時に」
「へぇ。そうなんだ」
「うん。だからね。もしかしたら……結婚するのかな。したいのかなって」
「なるほど」
五十嵐くんは、茉莉花が嫌がったら絶対に結婚はしない。暁子を諦めることもないだろうけれど、きちんと茉莉花には認めてもらいたいと思うだろう。彼はそういう男だ。だけれども、彼女がまだ短い人生の中で、どんな大人の男を見てきたか分からない。それらに引っ張られて、ママの相手がイメージが悪くなることだってある。私が言ってあげられるのは、彼は不誠実な人間ではないということ、くらいだろうか。