だって、そう決めたのは私
「なぁ、いつ言うとか考えてんの」
「あぁそりゃ考えるさ。本当は、昨日とかどうかなって思ってたけどね。カナちゃんは今日もお仕事だし、迷惑かなって。だから、お休みに入ったらにしよう、とは思ってる」
「そうか、そうか。まぁ告げられたら、カナコだって、それなりに考えるんだろうな。プロポーズってことは、上手くいったら籍入れるんだろ? そういう心の準備なんかも必要だろうしな」
サラリととんでもない言葉を聞いた気がした。籍を入れる。心の準備。改めて他者からそう言われると、とてつもなく重大なことをしでかそうとしている気がする。だからといって、止める気はないけれど。ただ、ココアを飲み込む喉の音が、やたらと大きく耳に響いた。
「上手くいくかなぁ」
「さぁな。まぁ、分かんねぇけどさ。自分の気持ちは素直に、真っ直ぐに伝えろよ。そうしたら届くんじゃ、ねぇの」
「へぇ。ロマンチックなこと言うんだねぇ。まぁくん」
「うるせぇな。とにかく、変に色んな物をくっつけたら、邪魔になるだけだぞって話だ」
本当に心配してくれているんだな。ありがとうね、と呟いたら、静かに頭をごちゃごちゃに撫でられた。恥ずかしかったんだろうけど、僕だって髪のセットくらいしてるんだけど。これからまだ外を歩いて帰るってのに、もう。
「まぁくんは、どうなの?」
「ん。あぁ……そうだ。あんま大々的には言わねぇで欲しいんだけど」
「ん? 何?」
まぁくんがカウンターに身を乗り出した。別に僕の他に誰もいないんだから、普通に話したらいいのに。
そう思った僕が聞かされたのは、彼のカレーがレトルト商品になることになった、ということだった。しかも、その話を持ってきた人が、隣の部屋の女の子。つまりは、まぁくんの好きな人だ。一昨日、彼女の会社に見学に行ったようだ。会社っていう場所を知らない僕達は、真新しい物を見た幼馴染の話を目を輝かせて聞いてしまう。カナちゃんが居たら、呆れた目で見ているのが想像が付くくらいに。
「あぁそりゃ考えるさ。本当は、昨日とかどうかなって思ってたけどね。カナちゃんは今日もお仕事だし、迷惑かなって。だから、お休みに入ったらにしよう、とは思ってる」
「そうか、そうか。まぁ告げられたら、カナコだって、それなりに考えるんだろうな。プロポーズってことは、上手くいったら籍入れるんだろ? そういう心の準備なんかも必要だろうしな」
サラリととんでもない言葉を聞いた気がした。籍を入れる。心の準備。改めて他者からそう言われると、とてつもなく重大なことをしでかそうとしている気がする。だからといって、止める気はないけれど。ただ、ココアを飲み込む喉の音が、やたらと大きく耳に響いた。
「上手くいくかなぁ」
「さぁな。まぁ、分かんねぇけどさ。自分の気持ちは素直に、真っ直ぐに伝えろよ。そうしたら届くんじゃ、ねぇの」
「へぇ。ロマンチックなこと言うんだねぇ。まぁくん」
「うるせぇな。とにかく、変に色んな物をくっつけたら、邪魔になるだけだぞって話だ」
本当に心配してくれているんだな。ありがとうね、と呟いたら、静かに頭をごちゃごちゃに撫でられた。恥ずかしかったんだろうけど、僕だって髪のセットくらいしてるんだけど。これからまだ外を歩いて帰るってのに、もう。
「まぁくんは、どうなの?」
「ん。あぁ……そうだ。あんま大々的には言わねぇで欲しいんだけど」
「ん? 何?」
まぁくんがカウンターに身を乗り出した。別に僕の他に誰もいないんだから、普通に話したらいいのに。
そう思った僕が聞かされたのは、彼のカレーがレトルト商品になることになった、ということだった。しかも、その話を持ってきた人が、隣の部屋の女の子。つまりは、まぁくんの好きな人だ。一昨日、彼女の会社に見学に行ったようだ。会社っていう場所を知らない僕達は、真新しい物を見た幼馴染の話を目を輝かせて聞いてしまう。カナちゃんが居たら、呆れた目で見ているのが想像が付くくらいに。