だって、そう決めたのは私
「今の若い人は柔軟ですね」
「え、僕は若くないですよ」
「いやぁ。私なんかからしたら、若いですよ」
「そうですかねぇ。でも、有り難いです。今どきの若い子ってのは、佐々木みたいな奴ですよ。アイツは柔軟なのかな」
「佐々木さん。お若いのに、とても……落ち着いた方ですよね」
息子のことを話すと、ドキドキしてしまうな。探りを入れているようで、悪いことをしている気にもなる。でもちょっと授業参観、いや二者面談のような気になって、これで間を持たせようと試みた。
「そうですねぇ。あまりはしゃぐようなタイプではないし。合コンとかに行く話も聞いたことない。モテるんですけどねぇ。僕があの顔だったら、どんどん合コンに行くのになぁ」
カナタは周りと仲良く出来ているのだろうか。彼がそういう風に育ってしまった原因であるくせに、私はちゃんとした親ぶって、そんなことを思う。
「あまり、仲良くはされてないんですか」
「いやいや。昼飯とかは、皆でワイワイ行ってますし。仕事になれば、先輩にもきちんと意見を言うし。頼りにされてると思います。ただ、プライベートとの線引をはっきりさせているというか。職場を離れたら、仕事を忘れる……みたいなタイプです。まぁ変わったことではないですよ」
「良かった……」
「へ?」
「あ、いや。皆さんが楽しくお仕事されているようで、良かったです」
上手く誤魔化せた気はしないが、彼は気にならなかったようだ。道沿いにある肉屋のコロッケが美味しいとか、あの公園は昼間は子どもでいっぱいだとか、そんな話を笑顔で振ってくれる。宏海はとてもいい担当の人がいて、カナタもまた優しい先輩に恵まれたのんだな。彼の楽しそうな横顔を見て、ホッとしていた。
「え、僕は若くないですよ」
「いやぁ。私なんかからしたら、若いですよ」
「そうですかねぇ。でも、有り難いです。今どきの若い子ってのは、佐々木みたいな奴ですよ。アイツは柔軟なのかな」
「佐々木さん。お若いのに、とても……落ち着いた方ですよね」
息子のことを話すと、ドキドキしてしまうな。探りを入れているようで、悪いことをしている気にもなる。でもちょっと授業参観、いや二者面談のような気になって、これで間を持たせようと試みた。
「そうですねぇ。あまりはしゃぐようなタイプではないし。合コンとかに行く話も聞いたことない。モテるんですけどねぇ。僕があの顔だったら、どんどん合コンに行くのになぁ」
カナタは周りと仲良く出来ているのだろうか。彼がそういう風に育ってしまった原因であるくせに、私はちゃんとした親ぶって、そんなことを思う。
「あまり、仲良くはされてないんですか」
「いやいや。昼飯とかは、皆でワイワイ行ってますし。仕事になれば、先輩にもきちんと意見を言うし。頼りにされてると思います。ただ、プライベートとの線引をはっきりさせているというか。職場を離れたら、仕事を忘れる……みたいなタイプです。まぁ変わったことではないですよ」
「良かった……」
「へ?」
「あ、いや。皆さんが楽しくお仕事されているようで、良かったです」
上手く誤魔化せた気はしないが、彼は気にならなかったようだ。道沿いにある肉屋のコロッケが美味しいとか、あの公園は昼間は子どもでいっぱいだとか、そんな話を笑顔で振ってくれる。宏海はとてもいい担当の人がいて、カナタもまた優しい先輩に恵まれたのんだな。彼の楽しそうな横顔を見て、ホッとしていた。